アンチェロッティ、バレンシアの洪水被害に…「明日がミラン戦でもサッカーのことは話したくない。このスポーツは人生で大切ではないものの中で最も大切」
5日のチャンピオンズリーグ・リーグフェーズ第4節、レアル・マドリーは本拠地サンティアゴ・ベルナベウにミランを迎える。前日会見に出席したカルロ・アンチェロッティ監督は、バレンシア自治州の大雨・洪水被害から、フットボールの試合を開催することに否定的な見解を表している。 バレンシア自治州で10月29日から30日にかけて記録的豪雨による大規模な洪水が発生。11月3日までに200人以上の死亡が確認され、行方不明者の捜索を求めるリストには2000人以上が名を連ねている。 週末のラ・リーガ1部第12節ではバレンシア対レアル・マドリー、ビジャレアル対ラージョ・バジェカーノが延期となったが、そのほかの試合は予定通り開催。すべての試合を延期しなかったことに多くの監督が反対していたが、アンチェロッティ監督も同じ気持ちのようだ。 「1週間前にこの悲劇が起こり、私たちは悲しみに暮れている。それこそが抱えるべき感情だろう。影響を受けた地域は私たちの場所からそれほど離れていない。一刻も早く困難な問題が解決することを願っている」 「こういった状況でフットボールのことを話すのはとても難しい。そのことは分かってもらえるだろう。私たちはこの国の一員であり、だからこそ感情を揺さぶられている。君たち(報道陣)に抱える敬意のため、また人々に敬意を欠かないために、(この会見を)簡単に済ませようと思う。私は今、フットボールについて話したいと思っていない」 「(古巣ミランと戦う)明日の試合は、私にとってとても特別だ。しかし、できる限り話したくないんだよ」 「試合の準備は難しいか? 全世界が影響を受けていることだ。起こったことは、あまりに恐ろしい。私たちはプロフェッショナルとして試合の準備を行ったし、明日は勝利をつかみたいと思っている。それがやらなくてはいけないことなのだから」 「私はフットボールがパーティーだと考えている。家族が健康であればパーティーをすればいいが、良い状態でない人がいるならば、行う必要なんてない。フットボールはやめておかなければいけない。フットボールは人生において、大切ではないものの中で最も大切なものだ」 アンチェロッティ監督はまた、バロンドール受賞を逃したFWヴィニシウス・ジュニオールの様子を問われて、次のように返答している。 「ヴィニシウスはバレンシアで起こったことを悲しんでいる。バロンドールはもう過ぎたことだ」