異名は”熱男”!なでしこジャパンの新監督に選ばれた池田太は東京五輪で惨敗したチームを再建できるのか
ベスト8で敗退した東京五輪後に高倉麻子監督が退任していた、日本女子代表「なでしこジャパン」の新指揮官に、U-19女子代表を率いる池田太監督(50)の就任が決まった。 日本サッカー協会(JFA)が1日に開催した臨時理事会で承認されたもので、契約期間は2024年の次回パリ五輪までの3年間。U-19女子代表監督も兼任する。 東京都出身の池田氏は埼玉・武南高から青山学院大をへて、Jリーグ黎明期の浦和レッズでプレー。1996年の現役引退後は浦和とアビスパ福岡でトップチームコーチやアカデミーの指導者などを歴任し、2017年から率いたU-19女子代表を、翌年8月にフランスで開催されたFIFA・U-20女子ワールドカップで初優勝に導いた実績を持つ。 同日夕方にJFAの田嶋幸三会長、今井純子女子委員長とともにオンラインで行われた就任会見に臨んだ池田新監督は、なでしこジャパンが武器としてきた器用さ、勤勉さ、連動性、コンビネーション、そして俊敏性をさらに突き詰めていくと明言。その上で「世界の頂点を奪還する強い気持ちで、チーム作りをしていきたい」と抱負を語った。
任期満了に伴って8月末に高倉監督が退任し、その後は空席になっていたなでしこジャパンの新監督が、1日のJFA臨時理事会をへてようやく決まった。 スウェーデン女子代表に準々決勝で完敗を喫し、メダルに手が届かずに終わった東京五輪の直後から有力候補に上がっていた池田氏は“熱男”というニックネームを持つ。 命名したのは“ヤングなでしこ”たちだった。U-20女子代表が初めて世界の頂点に立った2018年8月のフランス大会から凱旋した記者会見で、キャプテンのDF南萌華は試合前のミーティングにおける内幕を明かしながら周囲の爆笑を誘っている。 「(池田)太さんが誰よりも熱男で、このチームに対する思いを毎回伝えてくれました。これから試合だと自分たちのモチベーションが上がってくると同時に、この素晴らしい監督を世界一にしたいという気持ちにさせてくれたんです」 AFC・U-19アジア選手権を制し、翌年のワールドカップ出場権を獲得した2017年秋には、選手一人ひとりに直筆の手紙をしたためた。ある選手にはプレーを称え、またある選手には課題を記して発奮を促すなど、すべて異なる文面だった。 この時点ですでに“熱男”と呼ばれていた池田監督は、パラグアイ女子代表とのU-20女子ワールドカップ・グループリーグ最終戦のキックオフ直前のミーティングで、涙ながらに「オレはまだこのチームで戦いたいんだ」と訴えている。 結果次第では敗退のおそれもあったチームはパラグアイを6-0で撃破。決勝トーナメントではドイツ、イングランド、そしてグループリーグで敗れていたスペインを立て続けに下し、全カテゴリーの女子ワールドカップを初めて制した国に日本を導いた。