「分からないから、決めていいよ」と全て妻に任せる夫。パートナーとの距離感やすれ違いに悩む夫婦の物語を描いた漫画5選【書評】
離婚してもいいですか? 翔子の場合
パートナーに「離婚してもいいですか?」と聞かれたとき、その答えは状況や自分の価値観によって大きく変わるだろう。もし愛情がもうないと感じているのであれば、「それが最善の選択かもしれない」と素直に答えるかもしれない。もし子どもが成人していない場合、子どものために別れを先延ばしにする選択も考えられる。
しかし、夫婦の一方が心の中で苦しんでいて、一方がそのことに全く気づいていないとしたら――。そんな一例を描いた『離婚してもいいですか? 翔子の場合』は、夫のことが大嫌いになってしまった妻・翔子が離婚に向けて奮闘する物語だ。 翔子の夫・淳一は、妻を支配し、精神的に追い詰めるタイプのモラハラ男。翔子は、専業主婦になることを許してくれた夫への感謝の念から、彼の批判一つひとつを受け入れ、期待に応えるべく必死の努力をしてきた。しかし、徐々にその耐えがたい状況に心が擦り減り、最終的に体調を崩して病院へ通うことに。 本書の見どころは、離婚を決意し、夫に頼らず生きていけるよう努力をする翔子の潔さである。前向きさを持って行動することで、人生は必ず良い方向に進んでいく。「自分の手で稼ぐ」と決めてフルタイムのパートを始めた翔子は、長らく失っていた自分らしさと自信をようやく取り戻すことができたのだ。 離婚は夫婦関係の終わりであるが、同時に新たなスタートでもある。お互いにとって笑顔で過ごせる未来を作り出すためには、はたしてどんな道が最適なのか――。翔子と同じような悩みを抱えている人はぜひ本書を手に取り、幸せな未来を見つけるための一歩を踏み出してほしい。
今日から別居します 産んだら夫を嫌いになりました
子どもが生まれるという大きな人生の節目にもかかわらず父親としての自覚を持てない男性は、残念ながら一定数存在する。もしその自覚が長いこと欠けたままであれば、家庭内での信頼関係が崩れ、妻や子どもに深刻な影響を及ぼす可能性も――。『今日から別居します 産んだら夫を嫌いになりました』は、そんな一例をリアルに描いた作品だ。