兄弟の関係性は母親のタイプで変わる?教育に厳しい場合、兄と比較された弟が陥る精神状態とは
◆母親のタイプで変わる兄弟関係 さて、兄弟の関係は母親の“タイプ”によっても変わります。 ここでは、3つの分類について解説しましょう。 (1)母親がしつけや教育に厳しい しつけが厳しい母親や教育に熱心な母親の場合、何よりもその関心の対象は兄に向かいます。将来を期待され、優秀な成績を修めることを求められるので、兄は常に大きなプレッシャーを受けることになります。 ましてや兄は、弟が生まれたことで母親の愛情が奪われたように感じていますから、「優秀な良い子」になって母親の愛を取り戻そうとするのです。 もちろん、そこでライバルである弟に負けるわけにはいきません。そのため、兄は弟の存在そのものが刺激になって、人一倍頑張ります。 もし戦略が成功すれば、兄は優秀な成績で進学することになるでしょう。
◆問題児になるケースも しかし、そううまくいくとは限りません。 戦略に失敗し、母親の期待に応えられないと、それまで抑圧してきた分だけ反抗期が激しくなります。そして、学校に呼び出されたり、警察のお世話になったりする問題児になることもあるのです。「高校を卒業して家を出て以来、めったに実家に顔を出さない兄」になるケースもあります。 また、子どもの頃から自分に鞭(むち)打って頑張ってきた兄は、何らかの理由で挫折を経験すると、立ち直れないほどのダメージを負うことも珍しくありません。 子どもに過度な期待をかける母親の場合、兄が期待通りにならないとわかると、今度は弟をターゲットにして、兄との比較の元で弟を頑張らせることもあります。 「お兄ちゃんはもうダメ。あんなふうにならないでね!」 と常に兄を比較対象として持ち出すのです。 このケースでは、多くの弟が兄を怖い存在として認め、反抗できないまま大人になります。 それゆえ、弟はまるでお母さんのあやつり人形のようになってしまい、自立心も自主性も持てない子になってしまうケースも珍しくありません。 自由にならないストレスは甚大なものですから、失敗や挫折に直面すると、「人生、詰んだ!」とばかりに絶望してしまうのです。