兄弟の関係性は母親のタイプで変わる?教育に厳しい場合、兄と比較された弟が陥る精神状態とは
「兄弟姉妹」の関係性は、成長する過程で大きな影響を与えます。心理カウンセラーとして20年以上活動を続けてきた根本裕幸さんいわく、「兄姉がいるか、弟妹がいるか、また何番目に生まれたかによって、人生観や性格がある程度決まる場合がある」とのこと。今回は、母親と兄弟の関係性が、性格に与える影響についてご紹介します。 【書影】『兄弟姉妹の心理学』 * * * * * * * ◆兄弟の特徴 姉妹にも当てはまりますが、同性のきょうだいは何かと比較されるため、永遠のライバルになります。そのため、お互いに激しい競争心が芽生えます。 とくに年が近いと、子どもの頃はおもちゃを奪い合って激しいケンカをしたり、いがみ合ったりしやすく、親も手を焼くケースも少なくありません。 男の子同士ですから取っ組み合いのケンカになることも多く、ケガが絶えない場合もあります。 一般的には、兄が父親に、弟が母親につくことが多く、性格も男性的な兄に対して弟は女性的になる傾向があります。 兄はリーダーシップをとり、自分の道で活躍してヒーローを目指すタイプ。 一方、弟はどちらかというと母親を守る優しさを持ち、家庭的な要素を持つチャーマーになりやすい傾向があります。
◆兄は母親を支える立場になることも 心理的に見ると、兄弟は、異性の親である母親の愛情を求めて激しい競争を繰り広げます。 兄は「初めて生まれてきた男の子」なので、母親の寵愛(ちょうあい)を受けやすくなります。一方、弟は「あとから生まれてきた可愛い男の子」なので、母親に世話を焼かれる機会も増えるでしょう。 母親が小さい弟につきっきりになるのは仕方のないことですが、それを見た兄は激しく嫉妬するのです。 第一子の特徴として、兄は早々に自立します。また、しっかり者になりやすいため、母親も何かと兄を頼り、ときには母親の理想の「パートナー」になることもあります。 思春期に入り、母親と距離を置くようになっても、何かと母親を心配して支えることもあるでしょう。 また、父親と母親との心理的な距離が空いている場合は、妻が夫を頼るように、母親が兄を頼ることも珍しくありません(これは兄×妹の場合も同じです)。 その場合、弟としては、いつまで経っても子ども扱いされることに不満を抱き、母や家から距離を置くケースもあります。