ガンバ大阪が”新型コロナ活動停止”を乗り越えて執念ドロー…宮本恒靖監督「選手はファイティングポーズを取り続けた」
今シーズンのJ1リーグを戦う19チームが公式戦を戦っていくなかで、自分たちは自宅で筋力トレーニングなどを繰り返す日々を余儀なくされる。開幕直後に図らずも直面してしまったギャップに、選手たちはどのような思いを抱いていたのか。昌子がチーム全員の思いを代弁した。 「活動中止しているときに他のチームの試合を見ることがあったけど、僕自身にもチームにも焦りがあったと思う。再開してからも不安はありましたけど、それよりもサッカーができる喜び、ファン・サポーターにサッカーを見てもらう喜びを感じながら練習ができていた。高いモチベーションのもとで、すごくいい気持ちで、焦りというものをピッチに出すことなくこの試合に臨むことができた」 リーグ戦で2位に入り、天皇杯で準優勝した昨シーズンの陣容から、ともに6ゴールをあげたFW渡邉千真(現横浜FC)とFWアデミウソン(現中国2部・武漢三鎮)が退団。新たにFWチアゴ・アウベス(サガン鳥栖)、FWレアンドロ・ペレイラ(松本山雅FC)、MFチュ・セジョン(FCソウル)が加わり、京都サンガF.C.と横浜FCでの武者修行を終えたFW一美和成が復帰した。 開幕への前哨戦となる、王者・川崎フロンターレとのFUJI XEROX SUPER CUPではMF矢島慎也と昨シーズンのチーム得点王、FWパトリックがゴールした。もっとも後者はPKであり、2試合を終えて無得点が続くリーグ戦を見ても、新戦力を加えた攻撃陣が機能しているとは言い難い。今後も原則として週2試合が続く過密日程のなかで、宮本監督は試合後に喫緊の課題をあげた。 「やはり十数人の選手だけでは、戦い抜いていくことはできないので。誰が試合に出ても、自分が求めているプレーの質を高いレベルで出せる状況が必要になってくると思っています」 急ピッチでフィジカルコンディションを100%に近づけながら、同時進行で特に攻撃面でのコンビネーションも高めてチームを完成させていく。他チームよりも出遅れた部分を取り戻すピッチ内での戦いに加えて、フロントも大きな課題を乗り越えていかなければいけない。 延期となったリーグ戦6試合の代替開催日を選定する作業は、2チーム増の20チームで争われ、東京五輪に伴う中断期間も設けられている今シーズンは決して容易ではない。ガンバの場合はACLも同時に戦い、6月から天皇杯、9月からはYBCルヴァンカップの決勝トーナメントも加わる。