“番長采配“ズバリ!横浜DeNAが“天敵“阪神を12ー6で撃破した理由とは?
「左には右と決めつけず、流れや勝負強さ、なんとかしてくれるという粘り強さに賭けた」と三浦監督は、山下抜擢の理由を説明した。右の代打は、まだ今季ヒットのない蝦名と高城しかいなかったというベンチの事情もあり、5日の中日戦でも結果を出していた山下の集中力に賭けたのだろう。ITを駆使する近代野球では左対右が決してセオリーでもなくなっている。 山下は、一、二塁間を破るタイムリーで見事に“番長”の期待に応えた。三浦監督は、6回にも二死一塁から代打・乙坂を告げ、その乙坂はラッキーな内野安打でチャンスを広げ、桑原の2点タイムリーにつなげている。代打は3回に一度成功すれば御の字だが、三浦采配は、神がかりほどズバリと的中している。“番長”は、代打成功の秘訣を聞かれ「場面、場面で持っているものを出してくれている選手の頑張りだと思う」と期待に応えた選手を称えた。 だが、3点のりードで簡単に逃げきらせてくれないのが首位の阪神である。 7回に新外国人のシャッケルフォードが四死球で崩れる誤算。無死満塁で左腕の砂田にスイッチしたが、嶺井が落ちるボールをトンネルして失点するなどのバッテリーミスなども出て、たちまち6-6の同点に追いつかれてしまった。 だが、3カード連続で勝ち越してきた今の横浜DeNAには「失点した直後に奪い返せ」の“勝利鉄則“を忠実に守る反発力があった。ここでもキーワードは「つなぐ」である。 「ホームランを狙うのではなく、後ろにつなぐことを考えていた」というオースティンがレフトスタンドへ高々とボールを打ち上げる滞空時間の高い勝ち越しの5号ソロ。さらに牧が四球を選ぶと、ソト、宮崎、嶺井が、今度は3連打。桑原の2打席連続のタイムリー二塁打まで飛び出して、さらに4点を追加して阪神を突き放した。 阪神はオースティンから始まる、この回の横浜DeNA打線が、佐野以外、すべて右打者だったこともあり、勝利方程式の左腕の岩貞でなく右腕の小林をマウンドに送っていた。岩貞の調子を含めての判断だったのかもしれないが、結果論ではなく、左対左のセオリーにこだわらず代打策に成功した三浦監督とは対照的な人選ミスである。 「つなぐ」のキーワードは投手陣にもあてはまった。