“番長采配“ズバリ!横浜DeNAが“天敵“阪神を12ー6で撃破した理由とは?
番長采配が
横浜DeNAが7日、ここまで1勝5敗と苦手としていた阪神戦に12-6で快勝した。雨の横浜スタジアムで行われたカード初戦は両軍合わせて26安打の乱打戦となったが6-6の同点で迎えた7回にタイラー・オースティンの決勝の5号ソロを皮切りに5得点を奪うビッグイニングを作り阪神を突き放した。阪神の新4番に座った“怪物ルーキー“佐藤輝明に特大の10号ソロを浴びたが、三浦大輔監督が繰り出した代打策、8人をつぎ込んだ継投策がズバズバと的中して連勝。首位阪神の連勝も4でストップさせた。
キーワードは「つなぐ」
キーワードは「つなぐ」だった。 打線がつなぎ、投手がつなぎ、その結果が12ー6のスコア。 三浦監督が心地よさそうな笑顔で言う。 「大変な試合だった。打線も投手もみんなでカバーして勝てたゲーム」 嫌なムードは漂っていた。 「佐藤に打たれて、乗せたくはない」 育成出身の4年目右腕の中川が警戒していた新4番の佐藤に4回、驚愕の一発を打たれた。4月9日には、国吉が右中間スタンドの最上部にある看板を越えていく衝撃の場外弾を許して虎を勢いづけてしまったが、この日もライトスタンド上部の一番右に設置されている「業務スーパー」の看板にバウンドして当たる特大の10号を浴びた。嶺井が腰を浮かせて釣り球を要求していたが、ボールがひとつふたつ下へきたインハイのストレート。この打席、得意のフォーク、スライダーは1球も投じておらず配球にも問題はあった。 だが、その裏に横浜DeNAはゲームをひっくり返した。3回までノーヒットに抑えられていたチェンを2巡目に攻略したのである。先頭のオースティンが四球を選ぶと、佐野、牧、ソト、宮崎の4連打で3点を奪い逆転した。 「後ろへつなごうという意識を強く持って2巡目でしっかりと対応ができた。1巡目から2巡目に入ったところでコーチに指示をしてもらった」と三浦監督。 ”恐怖の7番打者”として存在感を示した宮崎も「後ろへつなぐ意識で打席に入った」という。 4人が4人とも仕留めたのはアウトコースのボール。しかも、佐野、牧が3球目。ソトと宮崎は2球目と、いずれも早い仕掛けだった。雨でぬかるむマウンドをやたら気にかけていたチェンは、2巡目に入ってボールが浮いてきていた。名将、故・野村克也氏は、投手攻略法のひとつに「球種は関係なくコースを絞る」という教えを説いた。あくまでも推測ではあるが、「アウトコース。膝よりボールひとつ上に目付して、その高さに来たストライクは最初から全部行こう!」の指示だったのかもしれない。 好球必打は、ラミレス前監督時代からの横浜DeNA打線の特長。梅野が裏をかく配球を講じる前に攻略に成功したのである。 さらに一死一、三塁で中川に打順が回ってきたが、「中川は1イニングずついけるところまでと考えていた。ボールが上ずってきたので代えた」と三浦監督は代打を決断した。勝負手の最初は、セオリーに反して左腕のチェンに対して左の山下だった。