“効率厨”は不幸?仕事の効率ばかり意識する人が知らない「本当のタスク管理術」とは
持続的な幸福(ウェルビーイング)が高まると、不幸だと思っていたネガティブな出来事も、実は今の自分につながる価値ある経験だとポジティブに捉えられるようになります。 例えば、私が不登校になった日々は、当時の自分にとって最悪な出来事でした。しかし、今振り返ると、あの日々があったからこそ、社会の枠組みにとらわれずに起業し、自由に生きる決意を持つようになった最高の経験だったと感じられています。 このように、人は過去の出来事を現在の幸福度の観点から解釈します。ウェルスクを活用すれば、日々の波を乗り越えながら、それぞれの目的に向かって航海を続けていけるでしょう。 ● タスクを効率的に管理する 「ウェルビーイングスクラム」 ウェルスクは、自己管理と生産性向上のためのフレームワークです。タスク管理の代表的な5つの手法を組み合わせて、日々の「やりたいこと」(アクション)を効果的に管理します。 人生を効果的に管理するために6つの計画書(リスト)を作成し、それを支える5つの周期的な活動を実施します。 これまでに数多くのタスクや時間を管理する方法が提案されています。あなたも、一度は試した経験があるのではないでしょうか。「試してみたけど、うまく使いこなせない」「次から次に新しい方法が出てきて、どれが1番いいのかわからない」と感じ、結局続かなくてやめてしまったという人は多いと思います。 方法を使いこなせなかったのは、あなたのせいではありません。どの管理法にも一長一短があるので、1つ取り入れただけではうまく効果が発揮されないのです。
ウェルスクは、「スクラム」をベースに、次に挙げた5つのタスク管理法を掛け合わせることで、最短で目標を達成できるようにしています。 ウェルスクを構成する5つのタスク管理法 ・GTD(Getting Things Done) タスクを整理し、記憶から解放することで心理的な負担を軽減する方法 ・ポモドーロ・テクニック 25分間集中して作業し、5分間休憩することで生産性を高める方法 ・アイゼンハワー・マトリクス タスクを緊急性と重要性で分類し、優先順位を決める方法 ・IF-THENプランニング 「もし○○ならば△△する」という条件つきの計画を立て、特定の状況における行動を予あらかじめ決定する方法 ・スクラム 短期間の作業計画を繰り返し、チーム協働でプロジェクトを進める方法 ● ウェルスクの定義するアクション 「やりたいこと」の最小単位 ウェルスクでは、アクションを「自己決定感の高いやりたいこと」の最小単位と定義しています。 自己決定感とは、個人が自らの欲求を自由に選択し、充足させる度合いを指します。研究によると、自己決定は所得や学歴よりも主観的幸福感(自分がどれくらい幸福であると感じるか)に強い影響を与えることが示されています。特に、西村和雄氏による2万人の日本人を対象に、心理的および主観的幸福感を計測した調査では、自己決定感が高い人々がより高い幸福感を得ていることが明らかになりました。 自己決定感の高さは、行為の動機が「内発的」か「外発的」かによって区分されます。内発的動機づけとは、行動が本人によって自発的に開始され、行動自体が目的化する状況を指します。一方、外発的動機づけは、行動が外部要因によって開始され、行動自体は手段となる状況です。例えば、親によって強制された「やりたくない勉強」は外発的動機づけの典型で、自己決定感が低くなる要因です。 本稿では、タスクやTODO(期限は決まっていないが、やらなければいけないこと)を「やりたくないこと」と定義し、「アクション」(やりたいこと)と明確に区別します。