JAL鳥取社長「1回目がないのは日本にマイナス」若者の海外旅行支援、国内線4950円も
日本航空(JAL/JL、9201)が、若者向けの旅行支援施策に力を入れている。2018年から契約を結んでいる米メジャーリーグ(MLB)ロサンゼルス・ドジャース所属の大谷翔平選手をイメージキャラクターに、夢に挑戦する若者を応援するプロジェクト「DREAM MILES PASS(ドリームマイルパス)」を2024年9月から始め、25歳以下が対象の国内線新運賃「JALカードスカイメイト」を来月2月1日から設定する。 【写真】4Kモニターを備えるJAL A350-1000 エコノミークラス JALの鳥取三津子社長は1月7日、若者向けの旅行支援施策について「圧倒的に海外へ若者が行かなくなっている。海外への修学旅行も減った」と現状に触れた。「1回目がない、というのは非常に日本にとってマイナスではないか。JALにも最終的には関係があるが、あまりいい話ではないと、心の底から思う」と指摘した。 「(若者たちに)行ってませんよね? とお伝えしたいくらい」と、円安や物価高で海外旅行離れが進んだ中、海外旅行やその前段とも言える国内旅行に踏み出すきっかけとして、若者向けに割安な運賃などを用意したという。 鳥取社長は「若い時に海外へ行くことはとても大切で、それをきっかけに見えるものが変わってくるだろうし、ほかの所に行ってみたいと、必ずきっかけになる」と、将来的な旅行需要の創出にもつながるとの考えを示した。 JALは若者応援プロジェクトのDREAM MILES PASSを2024年9月27日から開始。航空券を提供することで「移動格差」や「体験格差」など、若者を取り巻く課題の解消を目指す。プロジェクトの象徴として、大谷選手をデザインした特別塗装機「DREAM SHO JET」(エアバスA350-900型機、登録記号JA08XJ)を国内線に就航させた。 新設するJALカードスカイメイトは、25歳以下を対象にしたJALカード会員向けの国内線運賃。従来のスカイメイト運賃よりも安価な運賃を設定し、若年層の旅行需要を掘り起こす。設定初日の2月1日から3月29日まで新運賃設定の記念セールを実施し、対象者に国内線全路線の片道を一律4950円(税込)で販売する。当日の空席状況に応じて利用できる運賃で、搭乗日当日の午前0時から予約できる。
Tadayuki YOSHIKAWA