川崎宗則「勝ち負けという見えないものと戦っちゃいけない」少年野球への思い語る
2021年6月3日に40歳を迎える川崎宗則は、今季も独立リーグ・栃木ゴールデンブレーブスで現役を続けている。同時に、今年に入ってからYouTubeチャンネルとInstagramを開設し、現役選手でありながらさまざまなツールで情報を発信している。NPB、MLB、台湾、そして独立リーグと駆け抜けてきたからこそ、日本の野球界、そして子どもたちに「伝えたい」ことがある。(ラブすぽ/Yahoo!ニュースVoice)
人生にも野球にも「引き際」や「引退」はない
2021年4月3日、川崎宗則は独立リーグ・栃木ゴールデンブレーブスと選手として再契約を結んだ。不惑を迎える今季、今なお現役を続けるその理由、現役選手としてのモチベーションは、一体どこにあるのだろうか―― ――40歳になる今年も現役を続行する理由は? まずプレーヤーとして絶対にやりたい、ゲームに出たいというのは基本線でした。その上でYouTubeやInstagramは僕にとって新しいチャレンジ。初めてのことなんですけど、こういう風に取り組んでいる、こういうメンタルでやっているんだということを伝えたいという思いでやっています。今は毎日が忙しいですけど、充実していますね。 その中でもプレーヤーとして出ることが実は一番大事なこと。現役の匂いを忘れたくないんです。今もボールを追いかけるのが大好きで、それを続ける中でもいつか体が動かなくなる時が来る。だからこそ、動けるうちにいろいろなことを発信したり、勉強して野球の技術を向上させて、人生も幸せにしたい。終わってから「ああすればよかった、こうすればよかった」と思うのではなく、現役の匂いを感じている今、未来に向かって何ができるのかを僕のチャンネルやインスタで見せていければと思ってやっています。 ――「現役選手」だからこそ発信できることがある プロ野球選手だって悩むんです。技術的なことはもちろんですけど、少年野球をやっている子どもたちがそうであるように、僕らもいろいろな悩みを抱えてプレーしている。そういうことも包み隠さず発信できればいいなと。今年でプロ22年目になりますけど、今も試合に出ると緊張するしドキドキする。だからこそ謙虚になれるんです。 ――栃木ゴールデンブレーブスとの再契約について 栃木に来たのは昨季が初めてで、NPBを目指す若い子たちがどういう思いでいるのかも新鮮でした。僕は高校からドラフトでNPBに入ったけど、それとは違う環境からNPBを目指す選手がいる。22年前の自分と同じ部分もあれば違うところもある。 ――これまでに引き際をイメージしたことはある? イメージはないですけど自分がまだ走りたい、ボールを追いかけたいという情熱があるうちは続けたい。例えば、リーグが変わってもそれがある限りはやるでしょうね。だから人生にも野球にも、引き際や引退はないです。野球って「やりたい」と思い続ければ草野球でもなんでも、やることができるので。もちろん、今年40歳なので体は痛いですよ(笑)。でも打てなくても全力で走るのがまだ楽しいし、その痛みも幸せだし、それを伝えるのも僕の仕事だし……ジジイの泥まみれも悪くないですよ(笑)。