chocoZAPの黒字化から1年…認知度から満足度へ、瀬戸健社長が語る方針転換の成果「未来の足場固めの年だった」
◆機械故障や清掃状況を真摯に受け止め全社一丸となって改善へ
――これまでサービス拡充に重点を置いたテストマーケティングをしながら、全国的な新規サービスのローンチを行ってきました。継続率や顧客増加など、調査していくなかでサービスに関して見えてきたことについて教えてください。 【瀬戸社長】 すべてのサービスに共通しますが、すでに顕在化しているマーケットにサービスを提供しているわけではありません。エステ・カラオケ・ランドリー…どのサービスもお客様に対してのサポートは欠かせません。そこから改善点が見つかり、その対応をする。それを1つずつやっているところです。一方、セルフエステなどのマシンは、稼働率が高いため、一般的には起こりにくいトラブルも発生します。日々、気づきと改善の繰り返しです。 ――最高級のトレーニング環境とサービスを提示してきたRIZAP事業だからこそ、瀬戸社長には「chocoZAPの品質向上への想い」も大きいと思います。 【瀬戸社長】 お客様の声を受け止めながらの環境整備や現状への認識も含めて、あるべき姿をしっかり理解していくことを、この1年でやりたいと思っていました。マシンの不快な音など、そうした問題を放っておけば、それが普通になってしまう。そもそものあるべき基準を高い水準で定義しないといけない。そうすることで初めて現状とのギャップが生まれて問題意識が強くなっていく。全社一丸となって問題を認識して、改善までを実行することに取り組んできました。 ――これまで「機械故障」や「清掃状況」など不満の声への対応策として、RIZAPスタッフによる見回りやトレーニングに関するサポートを行う「ちょこっとサポート」、掃除や備品補充等を行う「フレンドリー会員」(会費減額)により、ジム環境の改善に取り組んできました。それに加えて、マシンごとにQRコードを設置し故障報告ができるシステムを導入する等、DX化でスピーディーに故障などのトラブルを解決する仕組みを構築しています。人だけではなく、システムも活用した両輪で品質向上を図るということでしょうか。 【瀬戸社長】 やはり人だけではコストが高くなっていきます。システム化によって、常時人がいなくても、トラブルが発生した時に人をアサインできる。そして熟練の人だけでなく、マニュアル化などによって誰でも対応できるようにすることで、コストダウンをしないといけない。DX化は、人が必要になる中でも、人の生産性を最大化する取り組みです。そのためにシステムという基盤を作っています。 ――店舗ごとに清掃頻度やマシンの故障状況などをリアルタイムで見られる「お店の状況わかるナビ」がローンチされました。また、店舗ごとの環境をランキング形式でも見られるようになり“可視化”されます。メリットだけでなくデメリットもあるように感じますが。 【瀬戸社長】 すべてを見せることで、私達は覚悟を持たないといけないと思っています。環境が悪くなったとすれば、それもお客様に知られてしまう。常に良い状態を維持していくためのオープン化です。この2年間で、マシンの製造から直接関わるようになり、故障発生率自体は下がっています。しかし、過去の口コミは残っています。もちろん皆様のご意見を受け入れなくてはいけない。ただ、お客様にも現状を見える化しないと、改善していたとしても、ブラックボックスだという印象だけで終わってしまう。改善したことを見てもらえることで、安心感につながり、お客様との信頼関係を強めていくことになると思っています。