chocoZAPの黒字化から1年…認知度から満足度へ、瀬戸健社長が語る方針転換の成果「未来の足場固めの年だった」
◆現在はテスト過程だが、海外マーケットへも順次進出
――従来の路面店への出店もこれまで同様のペースで進めていくのでしょうか。 【瀬戸社長】 地方をはじめ、フィットネス需要に対する出店が追いついていない状況です。ただ、出店にはさまざまなコストが発生します。いま現在は、品質とお客様満足度の向上を最優先にしている状況です。 ――単独企業内ジムの第1弾として、クボタがchocoZAPを導入しました。企業内ジム出店の今後の展開はどのように考えていますか? 【瀬戸社長】 コロナ禍後、テレワークの有無が入社の理由のひとつになっている状況があります。企業にとっては、オフィスのあり方自体を見直し、社員に前向きに出社してもらうための環境作りが必要になっている。ですから、社員の健康促進だけでなく、仕事の生産性の改善につながる上に、採用活動におけるアピールポイントにもなるメリットがあります。 実際に使ってみて、社員の方の満足度が非常に高いという報告を受けています。部署の垣根を超えて人が集まる場になり、コミュニケーションが活発になる効果もあるようです。この先、従業員数の多い企業をはじめ、幅広くアプローチしていきます。 ――ドコモとの業務提携契約による「chocoZAP×ドコモパッケージ」が提供されます。 【瀬戸社長】 膨大な顧客基盤をお持ちのドコモさんも、dヘルスケア(R)という健康を軸にしたサービスで顧客層の拡大に取り組んでいます。われわれにとっては、一緒に新しいパッケージを提供することでドコモさんの顧客へアプローチでき、さらなる顧客基盤の拡大が期待できます。その他にも、さまざまな可能性が見えてくると思います。chocoZAPの会費がdポイントのポイ活につながるところも、ライト層への強力なアピールになるのは間違いありません。 ――海外展開では、香港に新たに3店舗をオープン。海外進出を進める中で、chocoZAPのローコスト運営との親和性が高い国や地域は見えてきていますか? 【瀬戸社長】 基本的に無人運営のジムなので、相性が良いのは人件費など固定費が高い都市です。そこでリターンをどう最大化するのか。例えば、中国本土は人件費がそこまで高くないので、費用面での無人運営のメリットが出にくい。一方で香港等の都市は人件費等の固定費が高い傾向があるので、chocoZAPのローコストモデルの強みが活かされやすい。これからはコスト競争力や生産性がより重要なポイントになります。アジアの都市は可能性として十分あると思います。 ――国内ではサービス内容や出店も拡大しています。海外展開の位置づけはどうなりますか? 【瀬戸社長】 店舗を出しては改善を積み重ねていくテスト過程です。やはりいまは日本の品質向上が最優先。一方、海外においてもお客様の需要を知っていくことは大事ですし、海外マーケットでも可能性があると判断したところは順次進出していきます。