全オトナ男子は結局「パラブーツ(Paraboot)」の革靴に辿り着く説
タフな見た目とは裏腹な馴染みの良い履き心地
ノルヴェイジャン製法ならではのコバが張り出したL型ウェルトと太いステッチを見れば、誰もが堅い履き心地を想像するだろう。だが、意外にも「パラブーツ」の靴は革靴にありがちな堅さをさほど感じない。理由として、まずはアッパーのレザーの油分量が多いこと。多くのモデルではオーガニックなリスレザー(カーフ)を採用しているが、同レザーは高い耐水性や耐久性を求めるため多量の油分を含んでおり、それがレザーにしなやかさを与えている。 次にラバーソール。代表的なソールであるマルシェII、グリフII、パラテックスを筆頭に、「パラブーツ」のラバーソールは、ゴムの中に沢山の空気を蓄えている。それにより衝撃吸収性や屈曲性に優れているのだ。「良質な革靴は慣れるまで修行」という定説があるが、パラブーツならいち早く足に馴染んでくれるはず。
パラブーツの魅力2「今や希少なメイド・イン・フランス」
「パラブーツ」の靴は、創業以来すべてフランス国内で生産されて続けている。それこそラバーソールの生産から縫製まで、一貫してフランス国内で行なっているのだ。創業地であるイゾーには、2016年までファクトリーが存在。2017年には同地とフェールにあったファクトリーは閉鎖され、フランス南東のグルノーブルにあるサン・ジャン・ド・モワランに集約された。同地に本社やショールーム、アーカイブルームまでもすべて集約することで、業務を効率化。ハンドメイドとマシンメイドを組み合わせた150以上の製作工程を基本踏襲しつつもファクトリーは近代化され、さらに環境にもやさしい生産体制を整えた。 ちなみに、同地は創業地と同じく美しいアルプスの山々を望める街。そこにもメイド・イン・フランスのプライドがうかがえる。生産拠点をコストが安価な海外へ移すブランドが多い中、メイド・イン・フランスを貫く「パラブーツ」の1足は靴好きの物欲を大いに刺激してくれるし、所有する満足度も高い。
パラブーツの魅力3「まさに万能!オンオフ兼用、多国籍なMIXスタイルに対応するモデルまで豊富に用意」
1987年に誕生した名作「シャンボード」。Uチップのアッパーにパラテックスソールを履かせた同シューズは、ドレス靴のような端正さを備えながらも、ボリューム感のあるトゥとノルヴェイジャン製法による張り出したコバが、オックスフォードブーツのようなタフさも匂わせる。ウィンザー公から依頼され、アビエイターブーツに着想を得て1945年に誕生したダブルモンクの「ウィリアム」も、また同様。ノルヴェイジャン製法による堅牢さを備えながら、ドレッシーな佇まいを披露する。 そんなドレスとカジュアルを両立する靴が多くラインナップされる「パラブーツ」は、ゆえにオンオフ兼用シューズとして名高い。まさに一粒で二度美味しい靴。昨今ビジネスとカジュアルの堺が曖昧になったが、「パラブーツ」なら1足でこと足りるというわけだ。