全オトナ男子は結局「パラブーツ(Paraboot)」の革靴に辿り着く説
パラブーツの逸品1「シャンボード(CHAMBORD)」
パラブーツの魅力をまさに象徴するのが、名作「シャンボード」だ。1987年に誕生した同シューズは、Uチップを採用。アッパーはリスレザーで、ソールはパラテックスとなっている。 そもそもUチップはドレスシューズの中でも汎用性の高さで知られるが、シャンボードは堅牢なノルヴェイジャン製法やボリュームのあるトゥ、立ち上がったサイドウォール、厚みのあるラバーソールが、色落ちしたヴィンテージデニムや武骨なカーゴパンツとマッチ。一方で、全体的な印象はフレンチらしく端正さも備えることから、スラックスとのジャケパンスタイルにもマッチする。ただし、ボリュームがあるのでクラシカルなスーツには少々ミスマッチなのでご注意を。
パラブーツの逸品2「ランス(REIMS)
コインローファーの「ランス」。1986年に誕生したアメリカンタイプのローファーだが、ローファーとしてはボリュームがかなりあるのが特徴。サドル部分の強度を高めるために両サイドを極太のステッチで縫い上げているが、それがビーフロールを想起させ、アメリカンな雰囲気の理由になっている。 履き口が狭くなっているのも特徴で、それは厚みのあるソールゆえに一般的なローファーと比べて返りが堅めだが、甲をしっかりと覆うことですっぽ抜けにくくしているのだ。1995年に一度生産が中止になっているが、2009年に復活。今ではパラブーツの定番名作として不動の地位を確立している。 ローファーでありながら、厚みのあるソールはブーツのような武骨さも。ローファーのスマートさを楽しみつつ、ワイドパンツや厚手の生地にも顔負けしない着こなしもこなせる。
パラブーツの逸品3「ミカエル(MICHAEL)」
登山靴で多くの名声を獲得したパラブーツの歴史を物語るのが「ミカエル」。誕生は1945年で、創業者の孫であるミッシェル・リチャードの誕生を祝って作り出された。ミカエルとは、ミッシェルのラテン語読みである。 デザインは伝統的な山岳シューズであるチロリアンシューズに着想を得ており、シンプルな2アイレットが特徴。同モデル誕生以前にチロリアンシューズに着想を得た「モジーン」が販売されており、「ミカエル」はその後継となる。 シンプルでありながらもノルウェイジャン製法や厚みのあるソール、ローファーの「ランス」と同様のボリューミーなシルエットは存在感があり、総柄の個性的なパンツにマッチ。その一方で、かつてエルメスが別注したように、クリース入りのスラックスにも合わせられる。