日銀・黒田総裁会見6月18日(全文2)経済状況が違う中で金融政策が異なるのは当然
最大の株主が物言わぬ株主でよいのか
朝日新聞:朝日新聞の【江渕 00:46:26】と申します。ETFの買い入れ維持を決めていらっしゃるんですが、それに関連して1点なんですけれども、先日、東芝の株主総会を巡る報告書を受けまして、あと株主総会が近づいているということも、本格化しているということもあって、日本のコーポレートガバナンスのありように対して注目が集まっています。 日銀はETFの買い入れを通して、実質的な日本株の最大の株主になっているわけですけれども、その議決権の行使のありようなんですが、運用会社を通じて議決権を行使しているので、いいじゃないかという意見もあるかもしれないんですけども、一方で実質的に最大の株主が、いわゆる物言わぬ株主であるということが、日本の資本市場の在り方にとって本当にいいのかどうかという、やっぱり疑問もあるかと思うんですけれども、その辺りのお考えをお聞かせください。 黒田:この点は、現在、日本銀行がETFを通じて東京証券取引所の株の時価総額の7%程度を保有しているわけですので、トータルとしてそれほど大きなものじゃないということが第1点であるのと同時に、そもそもETFのような金融商品というのは諸外国にもいっぱいあって、それが、なんて言うんですか、コーポレートガバナンスを弱めているんじゃないかという議論はあまり聞かないわけですね。それは当然のことながら、ETFについても適切な議決権の行使が、ETFの保有者でない信託銀行とかそういうところが適切にやっているということで、こういう商品の普及というのは米国なんかのほうがよっぽど大きいと思うんですけども。今の2つの意味で、私はETFが日本のコーポレートガバナンスになんかマイナスの、日銀のETF保有が日本のコーポレートガバナンスにマイナスの影響を与えているというふうには考えていません。 日本経済新聞:すいません、途中で失礼いたします。幹事社の日経新聞ですが、会見の開始から目安の45分が経過いたしまして、このあとの質問は今、挙手をされている各社さんにしていただければと思うのですが、あと何社ぐらいいらっしゃいますか。 黒田:お二方ぐらいにしましょうか。はい、どうぞ。 【書き起こし】日銀・黒田総裁会見6月18日 全文3へ続く