「くら寿司銀座店」“露骨すぎる日本要素”から読み取れる、「日本人を相手にしていない」という狙い
全国に数多くあるテーマパーク。今もなお新しいテーマパークが生まれては人々を楽しませ続けている。しかし、そんなテーマパークには、あまり語られることのない側面が存在する。そんな、「テーマパークのB面」をここでは語っていこう。 4月24日、銀座にある商業ビル「マロニエゲート銀座2」に「くら寿司」が誕生した。銀座には初出店となる。これは、くら寿司の「グローバル旗艦店」に位置付けられる店舗で、インバウンド観光客が多い銀座という立地を活かし、外国人観光客向けのメニューや内装を取り入れた店舗である。 ⇒【写真】くら寿司「グローバル旗艦店 銀座」 この店舗を手がけたクリエイティブ・ディレクターの佐藤可士和氏は「食をテーマにしたエンターテインメント」施設を目指しているとし、まさに、ここが「食のテーマパーク」的な施設であることを思わせる。 今回は、実際に足を運んだ筆者が感じたことを紹介したうえ、この店舗の狙いについても分析してみたい。
外国人が好きそうな「江戸時代」を基調にした店内
まず店内に入って驚くのは、その店内壁画だ。歌川広重の浮世絵が大きく描かれており、その横を通って、受付へと進む。この店舗は、広重の浮世絵を元にしているらしく、まさに「江戸時代」が再現された空間構成をしているといえる。いかにも外国人が好きそうな空間である。 受付をして、それぞれのテーブルに行く。既存のくら寿司と異なるのは、それぞれのテーブルがカーテンのようなもので仕切られ、半個室になっていることだ。誰の目も気にすることなく、ゆっくりくつろげるだろうから、これも観光客など、ゆったりとした時間を過ごしたい人にぴったりといえる。 メニューは、基本的には他の「くら寿司」と同じで、人気の「びっくらぽん」もできる。ただ、違うのは店舗限定メニューがあること。例えば、「くら小江戸」というメニューには、特別仕様の寿司や天ぷら、みたらし団子などがある。受け取りに行くのは、江戸時代の風景が再現された屋台だ。 筆者もここぞとばかりに「真あじ天盛り」(600円)を注文してみた。注文して10分ぐらいすると、タブレットに「準備完了」という文字が。テーブルから立ち、屋台があるエリアへと向かう。