防衛力の維持、強化は「自衛隊最高司令官の使命」岸田首相会見12月10日(全文1)
対中戦略をどう描くのか
記者:フジテレビの瀬島です。よろしくお願いします。日中関係についてお伺いします。防衛3文書改定の中国を巡る記述や、党三役として19年ぶりとなる萩生田政調会長の台湾訪問などで中国の反発が予想される一方で、総理ご自身は先月、日中首脳会談を実現し、日中関係の立て直しをする姿勢を示されています。来年G7サミットを控える中で、対中戦略をどのように描かれますでしょうか。また総理自身の訪中のタイミングをどのようにお考えでしょうか。 岸田:まずは、本年末までに策定する新たな国家安全保障戦略の内容について、記述については現在検討中であります。よって記述ぶり、これはまだ決まっていない状況です。その上で、中国に関しては、先般、習近平国家主席と対面で初めての日中首脳会談を行いました。日中関係の大局的な方向性とともに、課題、懸案、さらには協力の可能性も率直かつ突っ込んだ意見交換を行う中で、私自身、考え方を示させていただきました。 日中間には現在でもさまざまな可能性がある一方で、数多くの課題、あるいは懸案が存在します。私自身の訪中等については何も決まってはおりませんが、今後とも首脳レベルを含め、あらゆるレベルで緊密に意思疎通を図り、主張すべきは主張し、そして責任ある行動を強く求めつつ、諸懸案を含め対話をしっかり重ね、共通の課題については協力をする、こうした建設的かつ安定的な関係を構築していかなければならない。そうした関係を双方の努力によって構築をしていく、これが日中関係に関しての基本的な考え方であります。こういった考え方に基づいて、日中関係のありようを考えていきたいと思います。その中で具体的な日程等を考えていく、こういった姿勢で臨んでいきたいと考えます。 司会:それでは次の方。NHKの清水さん。
G7議長国として、対露制裁方針を維持する考えか
記者:NHKの清水です。お願いします。今後の外交方針について伺います。日本は来月からG7の議長国になりますが、ウクライナ情勢を巡ってはG7はウクライナへの積極的な支援、ロシアへの厳しい制裁を重ねてきました。来月以降、議長国としてこうした方針を維持していくお考えでしょうか。どのように議論をリードしていくお考えでしょうか。また議長国は慣例として各国を訪問し、会談を行うことが多いと思いますが、来月にかけてどのような外交日程を描いているかもお聞きします、お願いします。 岸田:まず、国際社会は今、ポスト冷戦期の終わりという歴史の岐路にあります。またロシアによるこのウクライナ侵略、大量破壊兵器の使用リスクの高まり、こうした未曾有の危機にも直面していると認識をしています。こうした中で開催される、来年のG7広島サミットでは武力侵略も、核兵器による威嚇も、国際秩序の転覆の試みも、断固として拒否をするというG7の強い意思を、歴史に残る重みを持って示したいと考えています。 そうした考えの下、対ロシア制裁、ならびに対ウクライナ支援、周辺国への協力など、G7各国と協調しながら、引き続き強力に推進をしていきたいと考えています。また、その際、アジア唯一のG7メンバーとして欧州と私たちインド太平洋地域の安全保障を切り離して論ずることはできない、これを議論の中で強調していきたいと思います。その上で、中国との関係では今度とも首脳レベルを含め、あらゆるレベルで緊密に意思疎通を行い、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めつつ対話を重ねていく。先ほど申し上げましたような建設的かつ安定的な関係構築に向けて、双方で努力をしていきたいと考えています。 そして今後の私の外交日程については、なんら決まってはおりませんが、来年5月までの間、G7をはじめ、各国首脳と積極的に議論を重ねながら、また各国首脳との個人的な信頼関係をベースにして、この広島サミット成功に向けてさまざまな努力を行っていきたいと考えています。 司会:それではその次。ではウォール・ストリート・ジャーナルのランダースさん。 【書き起こし】岸田首相会見12月10日 全文2に続く