「オオタニの存在が逆にプレッシャーに…」米メディアが明かす“ドジャース優勝までのウラ側”「ロバーツは解雇される?」まさかの監督解任説「歩くだけで激痛」フリーマンの骨折
「ドジャースはロバーツ監督を解雇するか?」
10月に出たドジャース関連の記事を見ていたら、10月10日付の『スポーティング・ニューズ』(1990年代、私は東京の神保町で空輸されてきたこの紙の新聞を読むのが楽しみだった。“野球の聖典”とも呼ばれていた)の記事が目についた。ダン・トリーシー記者はデーブ・ロバーツ監督の進退問題について書いていた。タイトルは―― 「ドジャースはデーブ・ロバーツを解雇するか? なぜ、ドジャースの監督は今年のプレーオフで“ホットシート”に座ることになるのか?」 Hot Seatとは、アメリカのスポーツ用語で「結果を出さないと解任されそうな監督」という熟語だ。座っている椅子が熱くて座ってられない、というイメージである。 この記事はドジャースとパドレスの地区シリーズ第5戦の前に書かれたもので、もしも、ここでドジャースが3年連続地区シリーズで敗退するようなら、ロバーツの地位も安泰ではない、という趣旨の記事だった。 「大谷翔平の存在が、組織全体に絶対に優勝をしなければならないというプレッシャーを与えている」 球界ナンバーワンの選手ともいえる大谷が加入したことで、ロバーツ監督にはかえってプレッシャーがかかっていた。 これだけの人材をそろえたのに、3年連続で地区シリーズ敗退となったら――去年までとは話が違いますよ、ということである。 だが、ロバーツ監督はこの危機を乗り越えた。ブルペンデーを駆使しての「スクランブル態勢」が功を奏し、2020年に次いで5年間で2度目の優勝。すると、今度は各紙で「ロバーツ監督は殿堂入りするのではないか?」という記事も出始めた。 今季のポストシーズンの戦いで、ロバーツ監督は揺るぎない地位を築いた。
11年前に指摘されていた「コールの悪癖」
プレッシャーといえば、このオフ、ヤンキースには多大なプレッシャーがかかっている。 やり玉に挙がっているのが、第5戦の5回表、一塁ベースカバーを怠ったゲリット・コール。ニューヨークの記者団に対し、「打球の勢いを見誤ってしまった」と自らのミスを認めたが、アメリカの記者はあの手この手でそのミスを咎める。 現代アメリカ野球の「バレル革命」や、トレバー・バウアーの進化について書かれた『アメリカン・ベースボール革命』の著者、トラビス・ソーチック記者は、「X」でマイナーリーガー時代のコールについて、こんな分析がされていたことを紹介している。 2013年、コールがAAAのインディアナポリス・インディアンズ(パイレーツ傘下)でプレーしていた時のこと、当時のディーン・トレナー監督は、コールの未熟な部分についてこう言及していた。 「彼はミスが起きた時に、表情、体でフラストレーションを露わにしてしまう。それが味方のミスではなく、自分が打たれた時であっても。今季の序盤、イライラがつのり、それが雪だるま式に悪い結果を招くことが多々あった。いま、彼はそうした状況を鎮静化できるのは自分だけで、ダメージを最小限にすることを学び始めている」 10年以上経ったのに、そんな悪癖がワールドシリーズで飛び出した。 第5戦5回表。ジャッジのエラー、ボルピの送球ミスで満塁。ラックス、大谷から三振を奪ってエースらしいところを見せたはずだったが……。コールはベースカバーを怠り、ドジャースに「逆転の扉」を開いてしまった(一連のプレーにおける、キケ・ヘルナンデスとムーキー・ベッツの全力疾走は感動的である)。そして、フリーマン(この時投じたフォーシームは、今季最高速の99マイル。それをフリーマンに打ち返された)、テオスカー・ヘルナンデスに連打され、試合は振出しに戻ってしまった。 11年前、マイナーリーガーの時に懸念されていた傾向が、ワールドシリーズの舞台で首をもたげてしまった。 まったくもって、野球は怖い。
【関連記事】
- 【変わりすぎ写真】「ガリガリだったエンゼルス時代」→「大谷のう、腕が…“まるでハルク”」&愛される大谷翔平「ドジャースベテラン勢がニコニコ」まですべて見る
- 【あわせて読みたい】「あれはオオタニがテオスカーを気遣ったんだ」ドジャースの控え捕手が語る“大谷翔平の優しさ”「オオタニはスターだし…緊張したよ」チームメイトの証言
- 【最新】「オオタニは言い訳できない」ロバーツ監督、異例の苦言のウラ側…大谷翔平と監督の信頼関係、ドジャースのエースが明かす「ショウヘイにも公平なんだよ」
- 【話題】「オオタニにベテラン勢から不満の声もあった」米国人番記者がいま明かす「水原一平事件で“壁”が消えた」
- 【衝撃ルポ】「史上最悪のシーズンだったよ」大谷翔平が消えた“エンゼルスの今”…球団ワースト99敗、番記者に聞いた「ファンはオオタニにモヤモヤ」