「年300万円」の年金を受け取る60代夫婦。配偶者がアルバイトしたら、国民健康保険料が「3万円」増えてしまいました。2割軽減から“5割軽減”にするには、収入をいくら減らすべきですか?
毎年6月から7月にかけて、国民健康保険証と国民健康保険料の納付通知書が郵送されます。前年の所得によって保険料の金額が変わるので、本年度はいくらになるのか気になる家庭が多いかもしれません。 本記事では、2024年度の国民健康保険料が「軽減」される世帯所得基準額に変更された点があったことと、収入増加によって2割軽減にされてしまった場合、5割軽減に戻すためには世帯所得額をいくらに抑えれば良いのか試算を交えて解説します。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
国民健康保険料はどんな基準で決まる?
国民健康保険料は、都道府県が毎年定める標準保険料率を参考にそれぞれの市町村が保険料率を決定し、世帯ごとに納める保険料額が決められています。 国民健康保険料を決める4つの項目として、所得割・均等割・資産割・平等割があります。これら4つの項目の組み合わせも自治体によって違い、多くの自治体では所得割・均等割・平等割の3項目合計で保険料が計算されます。
保険料が軽くなる所得の基準額はいくら?
国民健康保険に加入している世帯で、世帯主と家族の前年所得を全て合計した金額が一定金額よりも低い場合は、均等割と平等割の金額が軽くなります。 2024年度は、5割軽減と2割軽減の基準額が変更され、5割軽減の基準額は5000円増加、2割軽減の基準額は1万円増えました(7割軽減の基準額には変更はありません)。 <7割軽減の基準額> 43万円×加入者数の合計以下 加入者2人で65歳以上の世帯では年間所得43万円以下 <5割軽減の基準額> 43万円+29万5000円×加入者数の合計以下 加入者2人で65歳以上の世帯では年間所得102万円以下 <2割軽減の基準額> 43万円+54万5000円×加入者数の合計以下 加入者2人で65歳以上の世帯では年間所得195万円以下 所得がある人のうち、前年の給与収入が55万円以上・60歳以上で年金収入60万円以上と、65歳以上で年金収入110万円以上の人が2人以上いる場合には「給与所得者等」として10万円×(給与所得者等の数-1)が加算されます。