「年300万円」の年金を受け取る60代夫婦。配偶者がアルバイトしたら、国民健康保険料が「3万円」増えてしまいました。2割軽減から“5割軽減”にするには、収入をいくら減らすべきですか?
2人世帯で年金300万円なら、いくらまで働けば5割軽減を維持できる?
例として、東京都千代田区在住で世帯主66歳年金収入年間200万円・配偶者65歳年金収入年間100万円で、配偶者がアルバイトをしたケースとして試算してみましょう。 (1)配偶者のアルバイト収入が年96万円(月8万円)の場合 世帯主の年金収入200万円-公的年金控除額110万円=年金所得額90万円 配偶者の年金収入100万円-公的年金控除額100万円=年金所得額0円 配偶者のアルバイト収入96万円-給与所得控除55万円=給与所得額49万円 世帯主の所得額90万円+配偶者の給与所得額49万円=世帯の総所得額139万円 5割軽減の基準額を上回る所得額になったため2割軽減の対象となり、世帯主が支払う国民健康保険料の見込み額は約14万5300円になりました。 それでは、5割軽減に戻すには、配偶者のアルバイト収入をいくらまで抑えれば良いのでしょうか。来年の国民健康保険料を5割軽減に戻すには、65歳以上の2人世帯では世帯所得を102万円以下に抑える必要があります。 (2)夫婦の年金額は変わらず、配偶者のアルバイト収入を年60万円(月5万円)に減らした場合 配偶者のアルバイト収入60万円-給与所得控除55万円=給与所得額5万円 世帯主の所得額90万円+配偶者の給与所得額5万円=世帯の総所得額95万円 5割軽減の対象となり、世帯主が支払う国民健康保険料の見込み額は約10万9000円になりました。2割軽減での保険料見込み額と5割軽減での見込み額との差額は約3万6300円と、年間金額で見ると大きな差になりました(国民健康保険料の保険料率は自治体ごとに異なるため、今回の試算は目安として見てください)。
まとめ
国民健康保険料は、それぞれの市町村が保険料率を毎年決定し、世帯ごとに納める保険料額が決められています。2024年度は、保険料の5割軽減の基準額は5000円増加、2割軽減の基準額は1万円増えました。 国民健康保険料の軽減基準額を超えると保険料も増えるため、世帯の収入見込み金額と支出を見比べて、家計に赤字が出ないようにバランスをとることが望ましいでしょう。 出典 東京都保健医療局 保険料額について 神奈川県藤沢市 国民健康保険料の軽減制度・減免制度 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部