天皇陛下63歳誕生日会見(全文) 雅子さまと結婚30年「できる限り力になり、支えていきたい」
愛子さまについて「これまで以上に広い経験を積んでくれれば」
また、愛子は大学生として学業を優先していますが、そのような中で、皇居での新年の行事であったり、都内の訪問であったり、少しずつ皇室の一員としての活動を行うようになりました。 また、昨年3月に成年を迎えての初めての記者会見に臨みましたが、私たちも会見に向けて一生懸命準備をする様子を目にしていましたので、無事に会見を終えることができ、安堵いたしました。 愛子が記者会見でも述べたように、自身のこれまでの経験は周りの多くの方の支えや協力があったからであり、これまで様々な形で支えていただいた皆さんに感謝する気持ちを持ってくれていることを、私たちとしてもうれしく思いました。 今年度も新型コロナウイルス感染症の影響により、授業はほぼすべてオンラインでの出席となりました。演習の授業での発表や、授業の課題に日々取り組むなど、大学での勉学に一生懸命励んでいます。 早いもので、この4月から愛子も4年生になります。新型コロナウイルス感染症の感染状況が落ち着いてキャンパスに足を運べるようになり、これまで以上に広い経験を積んでくれればと思っています。 愛子は学業で忙しい日々を送りつつも、いつも楽しい話題で家庭の雰囲気を和ませてくれ、私たちの生活を和やかで楽しいものにしてくれています。 昨年も述べました通り、愛子には、いろいろな方からたくさんのことを学び、さまざまな経験を積み重ねながら視野を広げ、自らの考えを深めていってほしいと願っています。また、今後も思いやりと感謝の気持ちを持ちながら、皇室の一員として一つひとつの務めを大切に果たしていってもらいたいと思います。その過程で私たちで相談に乗れることはできる限りしていきたいと思います。 皆さまには、これまでも愛子に温かい気持ちをお寄せいただいていることに心から感謝しております。今後とも愛子を温かく見守っていただければ幸いです。
皇室に関する情報を適切なタイミングでお知らせしていくことも大事
幹事社:宮内庁は新年度、皇室の情報発信を強化する方針で、SNSの活用についても検討するとしています。これに関連し、秋篠宮さまは昨年の会見で、正確な情報をタイムリーに出していくということが必要であるとの見解を示されました。情報発信を強化し、皇室の活動をより広く国民に知ってもらうことの意義について、陛下のお考えをお聞かせください。 天皇陛下:皇室の活動についての情報発信を考えるにあたっては、その前提として、皇室のあり方や活動の基本に立ち返って考える必要があると思います。皇室のあり方や活動の基本はこれまでもお伝えしている通り、国民の幸せを常に願い、国民と苦楽を共にすることであると思います。そして、時代の移り変わりや社会の変化も踏まえながら、状況に応じた務めを果たしていくことが大切であると思います。 皇室を構成する一人ひとりが、このような役割と真摯に向き合い、国民の幸せを願いながら一つひとつの務めを果たし、国民と心の交流を重ねていく中で、国民と皇室との信頼関係が築かれていくものと考えております。 国民との交流を重ね、国民と皇室の信頼関係を築く上では、皇室に関する情報を適切なタイミングで国民の皆さんに分かりやすくお知らせしていくことも大事なことであると考えます。