天皇陛下63歳誕生日会見(全文) 雅子さまと結婚30年「できる限り力になり、支えていきたい」
温かく接してくれたエリザベス2世陛下に最後のお別れ
昨年9月には、英国で70年の長きにわたって在位されていた女王、エリザベス2世陛下が崩御され、お葬儀に参列するため、雅子とともに英国を訪問しました。 お葬儀では、厳粛な儀式が執り行われる中、英国王室の方々や各国元首をはじめとする参列者の方々とご一緒に、女王陛下が長年の間に残された数多くの功績と貢献に思いをはせるとともに、我が国との関係においても女王陛下が両国の関係を常に温かく見守ってくださったことに、心からの敬意と感謝の気持ちを新たにしつつ、深い哀悼の気持ちをもって、女王陛下に最後のお別れをいたしました。 女王陛下には、私の英国留学や英国訪問に際しても様々な機会に温かく接していただき、幾多のご配慮をいただいたことに重ねて深く感謝しております。それとともに、令和になって国賓としてご招待をいただきながら、コロナ禍により女王陛下のご存命中に訪問を果たせなかったことを残念に思います。 今回の訪問にあたっては、チャールズ3世国王陛下をはじめ、英国王室の方々や英国政府関係者、一般市民の皆さんに温かくお迎えいただいたことを、大変ありがたく思っています。
コロナ禍で尽力する人たちに感謝
この一年も、新型コロナウイルス感染症が引き続き社会に大きな影響を与えました。亡くなられた方々と、そのご遺族に心からお悔やみをお伝えするとともに、闘病中の方や後遺症に苦しまれている方々にお見舞いをお伝えします。 その中にあって、患者さんの命を救うための尽力を続けている医療従事者、救急隊や保健所などの関係機関の皆さん、人々の日々の暮らしを支えていただいているエッセンシャルワーカーなどの皆さんに、改めて心からの感謝の気持ちを伝えたいと思います。 コロナ禍においては多くの人々、特に社会的に弱い立場にある人々が、さまざまな困難を抱えながら生活をしていることに胸が痛みます。社会的な孤独、孤立の問題についても心配しています。今後とも、生活に困窮している人々やその子どもたちなど、社会的に弱い立場にある人々に心を寄せ続けていきたいと思います。 新型コロナウイルス感染症の感染状況は、現在少しずつ落ち着きを見せつつあるようにも見受けられますが、今後の活動にあたっては、その時々の感染状況に十分注意を払いながら、必要な感染対策をとりつつ、オンラインも活用しながら、様々な形で広く国民の皆さんと接することができればと思っています。