大阪のボクシングジムで新型コロナ感染者…発熱選手らが救急車手配も病院たらいまわしで「PCR検査を受けられない!」
JBC(日本ボクシングコミッション)は17日、大阪府のプロジム関係者が新型コロナウイルスのPCR検査を受けて陽性反応が出たことを発表した。ジム内には、濃厚接触者の疑いがある選手が複数いて、プロ選手2人とアマチュア選手1人が発熱、トレーナー1人も倦怠感、頭痛などを訴えて救急車を呼んだが、受け入れ先の病院が見つからずPCR検査を受けることができないという医療体制の事態も明らかになった。保健所からは、濃厚接触者の特定とPCR検査には、「4、5日が必要」と待機を命じられているが、選手らからは「早くPCR検査を受けたい。不安だ」との声が上がっている。 大阪府では17日に新たに53人の新型コロナウイルス感染者が判明。これで15日の61人、16日の66人に続き、3日連続の50人超え。大阪では「大阪モデル」と呼ばれる独自の自粛要請・解除及び感染予防対策を作り、現在は警戒を示す「黄色信号」が出されているが、対応に追われる大阪府内に18か所ある保健所も含めて医療体制が逼迫した状況にあるのかもしれない。また同ジムは、現在、閉鎖され、JBCのガイドラインに準じ、プライバシーの保護と風評被害を防ぐため、ジム名と個人名は公表されなかった。 JBCの発表によると同ジムの関係者は、発熱、倦怠感などの異常を訴え、17日にPCR検査を受けて陽性反応が出た。現在は、自宅で経過観察中だ。さらにジム内で感染した関係者と同じ空間で練習をしていて、濃厚接触の疑いのあるプロ選手2人、アマチュア選手1人、トレーナー1人の計4人にも39度を超える発熱や頭痛などの症状が出たため、救急車を手配したが、1時間以上、たらいまわしにされたあげくに受け入れ先の病院がなく、この日は、PCR検査を受けることができなかった。大阪府では「新型コロナウイルス感染症指定医療機関」が確保されているはずだったが、4人は、現在、ジムの合宿所に自主隔離された状況で保健所の指示を待っている。 また同ジムには、他にも無症状だが、濃厚接触の疑いのある選手が複数いて、こちらも保健所の指示を待っているが、濃厚接触者の特定及び、PCR検査に関しては「4,5日必要だ」との連絡が入り、それぞれが自宅で自主隔離している状況だ。当然、不安があり一部の選手からは「一日でも早くPCR検査を受けたい。不安です」との悲痛な訴えが出ているが、3日連続で50人以上の感染者が出るなど、再び感染が広がっている大阪府では、感染症状を訴える人に対して、スピード感のある対応ができない状況に陥ってしまっているのが実情なのか。