築100年超の実家をリノベで次世代に残す。耐震化・断熱&減築で古民家でも「冬は床暖房のみ・夏はエアコン稼働1台で快適」 奈良
リノベーションのポイントを紹介しよう。 ●蔵を夫婦の寝室に。もともとの土壁が持つ厚さに加えて断熱材を施すことで家の中でも一番断熱性能が高い部屋に。屋根は軽い部材に替え、基礎をやり直して耐震性能もアップ。小屋裏はロフトにすることで趣味を楽しむセカンドリビングとして活用。 5部屋あった和室を2部屋にし、水回りの位置も全て変えることで、現代の暮らしに合った間取りに。 離れを両親の寝室に変更。 ●物置として使用していた小屋裏にも断熱を施し、子ども部屋として活用。 ●玄関の土間には床板を張って、屋根まで吹き抜けた広々玄関ホールに。梁や柱など古材も活用。 ●和室を取り巻くようにあった外廊下に断熱サッシを設置して室内空間に。その外側には庭に面してウッドデッキを設置。 ●ガレージ部分と道路面の和室の一部を減築し、車3台が駐車できるカーポートに。
費用は4500万円、そのうち、断熱と耐震にかかった工事費は約1300万円(減築等に伴う解体費用は別途700万円)。断熱等級5(ZEH)(※1)と、耐震等級2(※2)を確保した住まいとなった。一見、高い費用にも思えるが、曽祖父からの家を活かし、子どもからさらに次の世代、6世代が住みつなぐための家づくりだと考えると理解できる。 ※1 断熱等級5:2022年4月に新設された。等級4の次世代省エネ基準よりも厳しい、ZEH(ゼッチ)の断熱水準を満たすUA値・ηAC値への適合が求められる ※2 耐震等級2:公共施設や長期優良住宅の認定基準
小屋裏を活用して子ども部屋に。断熱処理をすることで居室のように使うことができた。
蔵は寝室に。小屋裏はロフトにして趣味の空間として活用。アイアンの手すりは庭のウッドデッキともそろえている。
Before 間取り。屋内にガレージがあり、和室上の小屋裏は物置として使用していた。
After 間取り。ガレージ部分と道路面の和室の一部を減築。階段を設置して、小屋裏は子ども部屋と寝室のロフトスペースに。