東京都医師会が緊急会見 「GoTo一時中断を」(全文1)1日千人なら東京の医療は持たない
感染抑制は他の病気の患者にとっても大事
それから現在、コロナ禍でやはり病院に行くのは怖いというような方も確かにおられて、そして普段高血圧とか糖尿病とか、いろいろなそういういわゆる生活習慣病のコントロールが、薬が切れてしまっている方とか、あとはやはり運動をあまりしなくなってしまったために体重が増えたりとか、いろんな原因でコントロール状態の悪い方々が増えています。例えば心筋梗塞、狭心症、こういった病気、あるいは脳卒中。こういった病気もやはり寒いときに血圧のコントロールが悪かったり、糖尿病のコントロールが悪かったりしますと、やはり発症しやすい。ですから、この冬はこういった病気の方もおそらく増えていく。 私は普段、循環器の心臓高血圧の医者をしておりますが、例年であっても、コロナがなくても、やはり最近、近年は高齢者の方のそうやって心臓が悪い方とか、すごく増えておりまして、やはり冬場、心不全になる方が多数おられまして苦労するわけですね。病院に連絡してももう病床がいっぱいだから、申し訳ないけどもうちでは診れませんということが昨年の今頃の時期も結構ありました。今年はそこにさらにコロナが加わってくるということになると、今コロナを診ている、診てくれている、そういう病院は、普通いつもですと救急病院で、こういった循環器の病気とか、そういうものをたくさん診てくれている病院がコロナでもし埋まるということになりますと、こういった方々の行き場所がなくなります。 そういう意味で、この冬はなるべくこれから皆さんが注意していただいて、コロナの感染症で、コロナ感染する方をできるだけ、これからでもいいから減らしていくということが大事になると思います。ぜひこのことをよろしくお願いしたいと思います。
2次感染が起きる決定要因は4つ
この間、京都大学の西浦博先生の講演を聴きました。そこで先生は、先生の専門分野の疫学的いろんな分析をされて、コロナの2次感染が起きる決定要因というのは、この4つが大きいというお話をいただきました。 1つは人口密度です。これは皆さんもご理解いただけると思いますが、やはり人の密度が大きいところですね。つまり大都市においてコロナはやはり多いということは、これは皆さんもお分かりだと思いますし、さらに移動によって密な空間をつくるということもやはり影響してくると思います。そして次に先生が挙げられたのは気温。やはり温度が下がってきますと感染が多くなると。これはもう日本のみならずアメリカのほうの研究でもそういうことがいわれているということでした。 そして3番目が人の移動でございます。これは例えばわれわれが個人的に外に出て散歩するような、そういう移動ではありません。第1波のときは緊急事態宣言でそういった移動も慎むみたいな話がありましたけども、これは例えば都道府県をまたいでのそういう大きな人の移動という意味だと思っています。それから4つ目は1人1人のやはりコンプライアンス。つまり順守といいますか、守るということですね。これはですから3密を回避するとか、あるいはマスク、手洗いを徹底的に行うとか、そういうことでございます。 そして、人口密度についてはなかなか今、急に東京の人口を半分にするとか、そういう政策はできませんし、気温については皆さんももうお分かりのように、換気をする、加湿をするということが必要になってくると思いますが、これはもういろんなお店でも取り組まれていることだと思います。そして個人が守るべきこととして、こういったコンプライアンスを徹底する。これが今、例えば菅首相も、尾身分科会長もマスクをこうやって着けたり、食べるときもマスクをこうやって外すんだみたいなお話もされていますが、これはやはりそういう飲食に伴ってどうしても感染が起きているということがはっきりしていますので、なるべく感染をさせないということで、こういったご指示が出ているんだと思っております。