日銀・黒田総裁会見1月21日(全文2)新型肺炎の動向は注視したい
日銀の黒田東彦総裁は、金融政策決定会合後の21日午後、記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは、「日銀・黒田総裁が決定会合後に定例会見(2020年1月21日)」に対応しております。 【動画】日銀・黒田総裁が決定会合後に定例会見(2020年1月21日) ◇ ◇
弱めの消費と成長率との乖離はないのか
テレビ東京:テレビ東京の相内と申します。よろしくお願いいたします。政策委員の見通しを見てみますと、成長率と比較しまして今年は消費税のポイント還元制度も6月で終了しますが、弱めの消費と成長率との乖離というのはないのでしょうか。 黒田:消費の動向については、消費税の引き上げによって駆け込みの反動減とかそういったものの影響があるということは認識はしておるんですけども、他方で最近の状況を見てみますと、非耐久財の消費はもう底堅く推移していますし、耐久財の中でも家電の販売は徐々に持ち直してきてるということでありますし、そもそも消費を支える環境、良好な環境が維持されていまして、雇用者所得は実質ベースで見て増加を続けているということでありますし、消費者マインドも持ち直しているようであります。 また、その他、新年の売り上げとか、その他も含めて全体として見ますと、消費の減少というのは一時的なものであって、個人消費の増加基調は維持されているというふうにみておりまして、先ほど来申し上げているように、物価上昇についても基調が変わったというふうにはみておりません。2%に向けて徐々に上昇率を高めていくという状況には変わりありませんし、物価上昇に関するモメンタムは維持されているというふうにみております。 テレビ東京:もう1点質問です。中国の新型肺炎、その感染が拡大していますけれども、過去のSARSの例を踏まえまして、世界経済への影響というのはどう考えていらっしゃいますか。また春節で中国人観光客も日本にたくさん訪れるかと思いますが、日本経済への影響というのも教えてください。 黒田:現時点で何か予想のようなことを申し上げるのはまだ早いっていうか、十分まだ分かっていませんのでですね。ただ、SARSとか、その後の鳥インフルエンザとか、非常に深刻な感染症かどうかっていうのはまだ分かってないわけですね。それからすでに発生源の中国でも対処、対応を進めてますし、日本その他の各国とも、その感染が広がることのないような予防措置をいろいろ講じていますので、今の時点でSARSとか鳥インフルエンザのような影響がありうるとか、その可能性が高いっていうふうにはみておりませんが、いずれにせよよく動向は注視していきたいというふうに思っています。どうぞ。