日銀・黒田総裁会見1月21日(全文2)新型肺炎の動向は注視したい
海外経済が持ち直したらどうなるのか
ブルームバーグ:すいません、ブルームバーグの【イトウ 00:26:00】です。2点ございます。1点目なんですけれども、海外経済の下振れリスクが幾分低下しているとのことなんですけれども、今後、日銀の見通しに沿って海外経済が持ち直していった場合、現在の緩和方向を意識した政策スタンスとか、政策金利のフォワードガイダンス、こういったものが修正されていくというふうに考えてよろしいのかどうか、1点お願いします。 黒田:一応、今のこの政策スタンスっていうのは、あくまでもメインシナリオに沿った展開っていうことを考えてるわけですけども、リスクが顕在化しないというか、どんどん減っていくと、で、経済も物価も持ち直しが、あるいは経済の成長率が、このメインシナリオで考えてるよりももっと急速に加速していくとか、そういったことがあれば何か見直しということも議論になるかもしれませんが、今のところ私どもはこういった経済見通しの下で、あるいは経済・物価の見通しの下で現状の金融政策を維持することが適切であり、やはり海外発のリスクが若干低下したとはいえ、依然として海外発のリスクはいろいろ残っていますので、やはり緩和方向を意識した金融政策っていうものが当分続いていくということだというふうに思っております。
長期金利はプラス圏で推移が望ましいのか
ブルームバーグ:2点目、長期金利についてちょっとお伺いしたいんですけども。足元で久しぶりにプラス圏に浮上する局面が見られているわけですが、投資家需要とか超長期金利の低下の回避という観点では長期金利はプラス圏で推移したほうがいいのではないかと、そういう声が市場では多いんですが、総裁は適正なイールドカーブとか市場機能とか、そういうことを踏まえた場合、長期金利はマイナス圏よりもやはりプラス圏で推移するほうが望ましいとお考えなのか、また、超長期金利は引き続きもっと上がったほうがいいというふうに今でもお考えなのかどうか、ご所見をお願いします。 黒田:現在のイールドカーブ・コントロールの下で政策金利はマイナス0.1%、そして10年物国債の操作目標が0%程度ということで伺っておりますので、0%程度の中で10年物国債の金利がある程度上下するっていうのは問題ないと思うんですけども、むしろ20年、30年、40年っていう超長期にしたあと、もうちょっとたってたんですけども、少し、その後だいぶフラット化して、また、少しスティープ化してきたんですけども、現在でももう少し超長期の金利は上がってもおかしくはないというふうには思っていますけども、基本的には政策金利をマイナス0.1%、10年物国債金利の操作目標0%程度という中で、適切なイールドカーブが形成されていくのを期待するということに尽きると。