日銀・黒田総裁会見1月21日(全文2)新型肺炎の動向は注視したい
警戒モードに変化はあるのか
NHK:NHKの【オオクボ 00:22:49】と申します。振り返ってみますと2019年は、7月、9月、10月と、だんだん総裁の発言も警戒モードが非常にだんだん強くなっていって、いつ追加の緩和に踏み切るのかというような緊張感も高まっていたと思います。そのころと比べると、今の総裁の緩和方向のスタンスっていうのは、一頃と比べると警戒モードに変化はあるんでしょうか、どうでしょうか。 黒田:そこは先ほど来申し上げているように、一頃に比べると海外経済の下方リスクっていうのはやや低下したとは思うんですけども、水準としてはそんな低いものではありませんので、やはり引き続き海外経済その他のリスクは十分に注視して、緩和方向を意識した金融政策を引き続き取っていくと。リスクには十分注意していくということには変わりがないということになります。 NHK:すいません、あともう1つ、今年オリンピックイヤーなんですけれども、アナリストの中には五輪後の需要の低迷、落ち込みを懸念する声もあります。総裁、五輪後の景気について、どのような見通しを持っていますか。 黒田:これは、最近かなり多くのエコノミストとかアナリストも言っておられますけども、五輪前に、オリンピック・パラリンピック前にいろいろな施設の設立とか改善とか、その他いわば公共投資がたくさん行われて、全体として人手不足の中ですから、民間のいろんな建設投資がやや先送りになってる面もあるといわれていまして、その分がオリンピックの公共投資が減った部分をむしろカバーしているというか、いくのではないかというふうにいわれていまして、あまりこのオリンピック前後でそういう建設投資が大きく変わるっていうか、減少するっていう可能性は薄いというふうにいわれていまして、私もそういうことではないかなと思っております。 それは日銀の短観とか支店長会議でのミクロの情報なんかも含めて、今言ったようなことでオリンピック前後で大きく建設投資が減少すると、景気に大きなマイナスが来るっていうようなことは考えられないというふうに思います。