児童手当が総額「234万円」もらえます。18歳まで「積立投資」すれば、大学の学費くらいにはなりますか? ただ貯めておくのはもったいないでしょうか?
日本政府による「異次元の少子化対策」のひとつとして、児童手当の拡充が打ち出され、高校生年代まで手当が支給される法律案が閣議決定されました。 児童手当は支給対象年齢の子どもを扶養する親に、毎月定額が支給されます。これを全額長期積立投資した場合、大学の学費がまかなえるかシミュレーションしてみましょう。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
今年生まれた子どもが18歳までに受け取る児童手当総額は「234万円」以上
まず、現在の児童手当制度の概要を整理しておきます。支給対象は、中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している人で、支給金額は図表1の通りです。 図表1
こども家庭庁 児童手当制度のご案内 これによると、第1子、第2子が0歳から中学校卒業までに支給される児童手当の総額は198万円以上(※1)となります。 ※1 3歳までの支給額1万5000円×36ヶ月+4歳~15歳までの支給額1万円×144ヶ月=198万円(実際は子どもの生まれ月により支給総額は異なり、最大209万円となる) 今後、現在閣議決定されている「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案」のとおりに法律が改正されると、以下のように変更されます。 (1)支給期間を中学生までから高校生年代までとする (2)支給要件のうち所得制限を撤廃する (3)第3子以降の児童に係る支給額を月額3万円とする (4)支払月を年3回から隔月(偶数月)の年6回とする 第1子に対する児童手当の支給総額は増額され、234万円以上(※2)となることが見込まれます。 ※2 3歳までの支給額1万5000円×36ヶ月月+4歳~高校卒業までの支給額1万円×180ヶ月=234万円(実際は子どもの生まれ月により支給総額は異なり、最大245万円となる) 子ども1人当たり総額36万円の増額となります。
児童手当全額を積立投資したらどうなる? 18年後をシミュレーション
ここでは、法律改正後に生まれる第1子が18歳までに支給される児童手当の全額を積立投資した場合、どれくらいの金額になるかをシミュレーションします。 受け取る児童手当と同額を毎月積立投資するとし、投資の平均年間利回りは3%、5%、7%の3種類を想定し、それぞれ18年後の金額を計算してみましょう(図表2)。 ちなみに、三井住友DSアセットマネジメントの調査によれば、1958年~2021年における日経平均株価の1年間のリターン平均は「8.7%」です。今回のシミュレーションにおいて投資の平均年間利回りを「3%~7%」と設定するのは、かなり確実性が高い、保守的な想定だと筆者は考えています。 図表2