NYメディアが分析した大谷翔平が1回持たず7失点KOされた理由…敵将が試合3時間前に語っていた攻略法とは?
エンゼルスの大谷翔平(26)が6月30日(日本時間1日)に敵地で行われたヤンキース戦に「1番・投手」のメジャー初の起用法で先発出場したが、第1打席は中飛、マウンドではスタートからの3者連続四球を含めた大荒れで二死しか取れず、ジャンカルロ・スタントン、グレイバー・トーレスに連続で左前適時打を打たれるなどして2安打5四死球41球で降板。残した走者を2番手のアーロン・スレイガーズが一掃され自己ワーストの7失点となった。大谷は、降板後に守備につくことなく交代。チームは大劣勢だったが、9回にジャレッド・ウォルシュの満塁弾などで一気に7点を奪い11―8で大逆転勝利し大谷の負けが消えた。 大谷は、試合後の会見で、「腕は振れていたが引っかけるボールが多かった。毎回毎回、同じような感じで投げられるわけではないですが、それをなるべく近づけていく(必要がある)。いかに切り替えるかが大事」とポジティブに語った。“辛口”で知られるNYメディアも大谷の“異変”にフォーカスした。 「ヤンキースはどのようにして大谷を攻略したのか」とのタイトルで分析記事を掲載したのは、ニューヨークの地元スポーツ放送局「SNY」だ。
ブーン監督「ストライクゾーンを見極めれば四球を出す」
「エンゼルスがしなければならなかったことはヤンキースのアーロン・ブーン監督の試合前のメディア用ズーム会見にログインすることだった。ゲームプランが正にそこで語られていた」とし、ブーン監督の「彼に対してはストライクゾーンを見極めることを忘れずに行わねばならない。そうすれば彼は何人か(四球で)歩かせるだろう」という試合3時間前のコメントを紹介した。つまりボールの見極めの重要性をチーム戦略として打ち立てていたのだ。 「これ(ブーン監督の考えた戦略)は本当のことだ。大谷は90マイル台半ば(約153キロ)を計測し、99から100マイル(約159から160キロ)に達する速球と優れたスライダーに傑出したスプリッターを持つスター投手だ。だが、彼は時折コントロールに苦労する」と、大谷の立ち上がりに制球難の兆候があることを指摘した。 ただ一方で「ヤンキース打線も最悪の状態のときはストライクゾーンから逃げるボール球を追いかけて打ち取られるケースが多く、とくに得点圏に走者を置いてそれは顕著だ。最高の状態のときは、ブーン監督が『スイングの見極め』と呼ぶものができて集中打につながっている」という。その代表例が2020年のポストシーズンの初戦でインディアンスのサイ・ヤング賞投手のシェーン・ビーバーを攻略した試合で、ヤンキース打線はストライクゾーンを広げることなく7点を奪った。