大谷翔平への“四球攻め”に不安はないのか…異例の2試合連続3四球にも地元紙は「四球を極める」監督は「自制心」を評価
エンゼルスの大谷翔平投手(26)への四球攻めが顕著になっている。7日(日本時間8日)、本拠地のロイヤルズ戦に「2番・DH」で先発出場したが4打席立って3四球で明らかに勝負を避けられた。前日のマリナーズ戦でメジャー移籍後初となる3四球を記録した大谷は異例の2試合連続3四球で歩いた。理由のひとつは、3番を打っていたマイク・トラウト(29)の離脱。地元紙は「大谷が四球を極める」と出塁を評価、ジョー・マドン監督も自制心を評価しているが、好打者攻略の原則は内角攻めと四球攻め。しかも、打席数が減るのは日本人初の本塁打タイトル奪取へ向けてのマイナス要素だ。トラウトの復帰まで大谷は我慢の日々を強いられるのかもしれない。
トラウド離脱後に四球急増
エンゼルスタジアムが大ブーイングに包まれた。 4点リードの7回無死二塁。マウンドのロイヤルズのウエイド・デービスが大谷に1球もストライクを投じずに歩かせた。デービスは3年前のロッキーズ時代に43セーブでセーブ王を獲得した右腕。大谷は、ここまで1回一死、2回二死と2度四球で勝負を避けられていた。 大谷の17号を期待していた地元ファンが怒るのも無理はない。 大谷攻略の最良の手段は「勝負しない」こと。前日のマリナーズ戦で、申告敬遠を含めて、メジャー4年目、308試合目にして初めて1試合3四球を経験した大谷は、対戦相手がロイヤルズに変わっても続けて3四球で歩かされた。MLB公式サイト記者のツイートによるとエンゼルスでは、通算350本塁打を誇るチリ・デービス氏が1993年にマークして以来の珍事だという。 大谷への四球攻めが顕著になったのは、5月18日に3番を打っていたトラウトが右ふくらはぎの故障で離脱してからだ。そこまで38試合で8四球しかなかったが、離脱後は17試合で15四球と急増している。 これまでは、後ろの3番にトラウトがいることで大谷と勝負せざるを得なかったが、代役3番に抜擢されているアンソニー・レンドン三塁手が打率.236、3本塁打、23打点と結果を残せていないため、大谷を歩かせ、レンドンとの勝負を選択されている。 レンドンは、ナショナルズ時代の2019年には34本、126打点で打点王を獲得。エンゼルスと7年2億4500万ドル(約265億円)の超大型契約を結び、昨季から移籍してきたスラッガーで、その実力に疑いはないのだが、彼の調子が上がってこない限り、大谷への四球攻めは終わらないだろう。事態を改善するには打順を動かすしかない。