「神秘的で謎に満ちた、慎み深いご一家」日本の皇室、フランスでの報道とは?
この記事は、フランスの新聞社「Le Figaro」グループが発行する「madame.lefigaro.fr」で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 【写真】「謙虚さと誇りを示す」フランスメディアに絶賛された天皇陛下の写真とは? 日本の皇室を構成するのはいまや16人のみ。そして他国同様、時にはスキャンダルもある。世界でもとりわけ慎み深いロイヤルファミリーの肖像。 ここは東京駅から徒歩10分、高層ビルが建ち並ぶ金融街の丸の内からすぐのところだ。東京の広大な都市景観の中でひときわ目立つ緑のオアシスがある。高い石垣や生い茂る木々に囲まれて、かつて江戸城だった場所に今日、神秘的な日本の皇室が住んでいる。日本以外ではあまり知られていないが、日本の皇室は世界最古の王朝で、言い伝えによれば、紀元前660年の伝説的初代天皇、神武天皇まで遡ることができる。
これからどうなるのか
最近の皇室ニュースと言えば、最高齢の皇族である三笠宮百合子妃が11月15日に101歳で亡くなられたことだ。彼女は昭和天皇のいとこの未亡人だった。昭和天皇は62年間の在位後、1989年に亡くなった。現在残されている皇族は天皇皇后両陛下、愛子内親王、上皇上皇后両陛下、悠仁親王を含む計16人である。 出生数は非常に少なく、2024年9月6日、皇室存続の希望の星、悠仁親王が成年皇族となられたが、これは皇室の男子としては約40年ぶりのことだ。このことは、皇位継承をめぐる論議を再燃させた。天皇陛下にはひとり娘の愛子内親王がおり、彼女は12月1日に23歳の誕生日を迎えるが、皇位継承権がない。皇室典範で皇位継承者は男子に限られているからだ。その結果、日本の皇位継承権者は、悠仁親王とその父である秋篠宮殿下の他、天皇陛下の叔父にあたる88歳の常陸宮殿下しかいない。なお、常陸宮殿下には子どもがいない。
皇后陛下の適応障害
皇室にもさまざまなことが起きた。皇后雅子さまは長いことウツ状態だった。現在60歳の雅子さまが天皇陛下と結婚したきっかけは1986年に遡る。「タトラー」誌で報じられたように、ふたりは、スペインのフアン・カルロス1世の長女で現国王フェリペ6世の姉であるエレナ王女の来日歓迎お茶会の席で出会った。当時、彼は「菊の玉座」を継承する皇太子でオックスフォード大学卒、彼女の方は外交官だった小和田恆の娘として、輝かしい父と同じ道を歩み始めていた。雅子さまはモスクワとボストンで幼少期を過ごした後に日本で育ち、1985年にハーバード大学で経済学の学位を取得。2年後、日本の外務省に入省した。国際的なキャリアを目指す新進外交官の彼女は彼との結婚をためらった。それは自分のキャリアをあきらめ、自由が制限されることを意味するからだ。 2回のプロポーズ辞退後、雅子さまはついに結婚を受け入れた。ふたりは1993年1月19日に婚約を発表。結婚式は同年6月9日に行われ、800人以上の招待客が出席した。