レムコ、ログリッチらが春の王者目指し熱戦 前半戦レビュー|パリ~ニース
レムコ、ログリッチらが春の王者目指し熱戦 前半戦レビュー|パリ~ニース
寒さ残るフランス北部から、温暖な同国南部へと向かう様から“太陽へ向かうレース”とも呼ばれるステージレース「パリ~ニース」。第82回目となる大会は、3月3日に開幕し10日までの会期で行われている。“プレ・ツール”にも位置づけられ、ツール・ド・フランスにもつながっていくとされる春の戦いを、2回に分けてレビューしたい。まずは第1~4ステージまで。スプリント、タイムトライアル、山岳とハードな戦いが日々繰り広げられている。
豪華メンバーが集結する“仮想ツール”
パリ~ニースは、ツールなどと同じA。S。O。(アモリ・スポル・オルガニザシオン)が主催する主要レースで、前記のとおり今回で82回目を迎える。実際のところパリで開幕することはほとんどないが、今回は郊外の街レ・ミュローから約1週間の戦いがスタート。日を追うごとに南下し、終盤の2日間、第7・第8ステージでニースを走る。 同時期に開催されるティレーノ~アドリアティコと並び、多くの選手が春の目標レースのひとつに位置づけ、実際にここで活躍した選手がツールなどのビッグレースで名を上げることが多い。前回大会はタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)が、前々回大会はプリモシュ・ログリッチ(当時ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)がそれぞれ個人総合優勝に輝いている。 今年も豪華メンバーが集結し、ログリッチのほか、レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー)、ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)、エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)、ペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)、ダヴィド・ゴデュ(グルパマ・エフデジ、フランス)といったグランツールでおなじみのメンバーがそろう。春の王者争いは、いつも以上に熾烈を極めそうだ。 なお、例年どおり全8ステージで構成され、総距離は1220。6kmとなっている。
第1ステージから総合系ライダーがアクティブな構え
レムコら総合系ライダーは大会初日から攻めの姿勢を見せている。 4つの3級山岳を越えた第1ステージ(158km)は、フィニッシュ前18kmの地点に置かれた中間スプリントポイントめがけビッグネームが動き出す。最大勾配10%の上りをこなして1位通過の6秒ボーナスを獲得したのはマッテオ・ヨルゲンソン(ヴィスマ・リースアバイク、アメリカ)。レムコが続き、2位通過の4秒ボーナス。さらにはベルナルが3位通過で2秒ボーナスをゲット。 その勢いのままレムコらが数人のパックを組んでペースを上げるが、集団も見逃さない。この日最後の3級山岳でもレムコやベルナルが仕掛けたが、どれも決定打にはならなかった。 結局65人ほどでフィニッシュへとなだれ込む形になり、オラフ・コーイ(ヴィスマ・リースアバイク、オランダ)がマッズ・ピーダスン(リドル・トレック、デンマーク)らとの競り合いを制してステージ優勝。大会最初のマイヨ・ジョーヌ着用者となった。 第2ステージ(179km)は、前日以上にスプリンター向けの1日。前半2カ所の3級山岳を目指して逃げが生まれたものの、通過後はみずから集団へ。その後は一団でフィニッシュ地を目指す流れとなって、やがてスプリント態勢へと移った。 前日勝ったコーイが不発に終わった一方で、この日冴えたのはUCIプロチームのチューダープロサイクリング。リードアウトトレインが機能し、最後はアルノー・デクライン(オランダ)を放つ。他選手の追い上げをかわし、初のステージ優勝を決めた。