レムコ、ログリッチらが春の王者目指し熱戦 前半戦レビュー|パリ~ニース
チームTTではUAEが2年連続勝利
今大会2つの平坦ステージを序盤のうちに済ませ、大会3日目以降は個人総合成績にもかかわる重要ステージが続く。 第3ステージは、26。9kmのチームタイムトライアル。前半2カ所の丘を越えて、コース後半は下り基調。最後の約1kmで3%ほどの上り基調となってフィニッシュラインを通過する。チームTTといえばチーム内4番手または5番手でフィニッシュした選手のタイムが有効となることが多いが、この大会では前回から一番手ライダーのタイムがチーム記録となる。それゆえ、エースクラスの選手を長く温存させ、最終局面で“発射”させるロケット作戦に出るチームも見られる。前回大会では、UAEチームエミレーツによる“ポガチャル発射”が大きなインパクトとなった。 そのUAEチームエミレーツが今回も快走。丘陵地では山岳アシストが牽引し、アルメイダら総合系ライダー4人がまとまってフィニッシュ。31分23秒(平均スピード51。429km)で走破した。 UAEの後に控えていたチームは、レース途中から降りだした雨に苦戦。レムコ擁するスーダル・クイックステップは中間計測こそUAEを上回ったものの、後半に失速しフィニッシュでは22秒遅れ。ログリッチ率いるボーラ・ハンスグローエは54秒遅れ、ヴィスマ・リースアバイクも38秒届かなかった。 勝ったUAEチームエミレーツは、主力ライダーが個人総合でも一気に順位を上げ、このステージを終えた時点でブランドン・マクナルティ(アメリカ)が首位に立った。 いよいよ第4ステージ(183km)からは、山岳地帯へ。しばし逃げた選手たちは残り35kmまでに集団がキャッチし、すぐ先に待つ中華スプリントポイントへ。ここをレムコが1位通過して6秒ボーナスをつかむ。ログリッチも2位となって4秒ボーナスを得る。 この日6つ目のカテゴリー山岳となる1級の上りで、ルーク・プラップ(ジェイコ・アルウラー、オーストラリア)が集団から抜け出す。これにサンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン・ヴィクトリアス、コロンビア)が続き、終盤に入って2人逃げの態勢に。頂上フィニッシュが置かれる2級の上りに入ったところで、その差は40秒。フィニッシュまでの3kmを急いだ。 平均勾配7。7%の最終登坂で力が勝ったのはブイトラゴ。最大勾配13%区間でプラップを引き離して独走態勢に持ち込む。メイン集団は総合系ライダーに絞られた状態で前の2人を追う。アシストが役目を終えたところでレムコがアタックするが、集団が完全に崩壊するところまでは至らない。 ブイトラゴは最後まで逃げ切ってステージ優勝。バーレーン・ヴィクトリアスは同日のティレーノ~アドリアティコ第3ステージでフィル・バウハウス(ドイツ)も勝っており、大成功の1日とした(ティレーノについては別記事で紹介)。プラップも粘って10秒差で終えると、約30秒置いてメイン集団が駆け上がってきた。レムコのアタックを封じたマティアス・スケルモース(リドル・トレック、デンマーク)が3位。同タイムの4位でレムコが入り、その2秒後にベルナルやフェリックス・ガル(デカトロン・アージェードゥーゼールラモンディアル、オーストリア)、ログリッチ、ヨルゲンソンと続いた。