マラケシュ「ラ・マムーニア」は、大人のアラビアンナイトを叶える“おとぎホテル”でした
憧れをもって入社すると、全スタッフが「ラ・マムーニア」の歴史と変革を学ぶ機会をもちます。2020年末に4度目の大改装が完了した際には、改装の背景についての説明会が設けられました。ゲストに話せるようにすることが第一目的ですが、清掃や経理など、ゲストとの接点が少ない部門でも、誰でも参加できる会にしたのもポイントです。誰がどんな会話に出くわすかは未知数ですし、より深く知ることで業務に何かしらの気づきが生じるはず。 また、コロナ禍に休館して出社がない時でも、マラケシュでは珍しくスタッフたちは同じサラリーを受け取っていたとか。ホテルへの誇りをもち、給与も安定していたら、サービスの質が上がることは間違いありません。 フランス人の総支配人ピエール・ジョシェム氏は、2023年にモロッコ地震が発生した際は、スタッフとその家族全員の安全を国内外の関係者に伝えたといいます。スタッフたちの日々の平穏に気遣う社風が、余裕のある接客の地盤かもしれません。ジョシェム氏は、米国の老舗ホテル専門誌「HOTELS」にて、独立系ホテルの世界NO.1総支配人に選出された、人望の厚いリーダーでもあります。
客室と庭だけで十分幸せになってしまう
客室は135室のベーシックな部屋と、71室14タイプのスイートルーム、邸宅の「リヤド」から構成されます。「リヤド」の広さは700㎡もあり、寝室は3つ、庭もプールも備えます。流石、国賓やスーパーVIPが泊まるホテル。リヤドの意味は邸宅ですが、ここはもはや宮殿です。人生で一度、砂漠の王様気分を味わいたい方はお問い合わせを。
「マジョレル・スイート」(114㎡)もマラケシュらしい一室。そこは、イブ・サンローランが見惚れて買い取ったマジョレル庭園を造った画家、ジャック・マジョレルに由来する部屋です。目が覚めるような青のマジョレルブルーが壁に塗られ、空の青が淡く見えるほど。青壁に合う白い彫刻や幾何学模様が配され、マジョレルの名を裏切らない空間となっています。