発達障害の女性の未来を拓いた、「できることに光を当てる」eスポーツの可能性
対戦で敗れても、前向きな気持ちを養える
「GAMADUS」からも、河野さんをはじめ、同施設を利用する9人が大会に参加。普段からUDe-スポーツを取り入れていることで好成績が期待され、メンバーとならなかった施設利用者も声援を送ったが、グループ予選で敗退。チームのエース的な存在である河野さんも、本番の緊張から本来のパフォーマンスを発揮できなかった様子。 それでも、「他県の方と対戦することがないので、いい交流の機会になりました。今回は緊張してうまくいかなかったぶん、次はもっといい点数を出せるように、練習して上手になりたいです」と笑顔を見せる。他のチームメンバーや応援に回った利用者からも、「次は負けないように、もっと練習しなきゃね」といった前向きな言葉が聞かれた。 UDe-スポーツ協会の池田さんは言う。 「今回は施設ごとの対抗戦でしたが、大会という形をとらなくても施設同士で自由に交流してもらいたいですし、利用者の方が楽しみながら、『できなかったことができるようになる』体験をすることで前向きになってもらえるよう、もっと多くの施設に広げていきたい」 河野さん自身は、さらに自信やスキルを高め、将来的にはパソコンを使った事務作業をする仕事に就きたいという希望を持っている。障害者や高齢者の間でUDe-スポーツがさらに広がれば、河野さんと同じように成功体験を積み上げて自信を深め、自ら道を拓いていく人が増えそうだ。