断熱等級6の145平米の家「家中の温度差ゼロ」。災害時も活きる太陽光発電・蓄電池、IoT活用のスマートハウスなど工夫も満載 大阪府・Fさん夫妻【断熱新時代・住宅実例】
固定概念にとらわれない斬新なエアコンの設置場所
F邸のエアコンの取り付け位置には驚かされた。リビングの階段下のデッドスペースを活用し、とても低い位置に設置されている。この位置でも問題なく吹き抜けのある広い空間を快適な環境に保てるのだろうか。とても気になったので伺ってみた。 「これはね、吹き抜けの高い位置に設置するとお手入れが大変でしょ?なので、お手入れしやすい位置に設置できないかと、設計士さんに相談したんです。そしたら、メーカーさんにも確認していただいて、我が家の場合は低い位置でも問題なく空気を効率的に循環させることができるという回答があったそうで、この位置に設置することになりました。いつでもさっと拭き掃除ができる位置に取り付けることができて助かりました。デザインもおしゃれでとても気に入っているんです」 低い位置にあるからこそ、敢えてパネルはメタリックなカラーを選択したそう。F邸のモダンでスタイリッシュな空間にも自然に溶け込んでいる。
外出先からスマホアプリで家電操作できるスマートハウス
キッチンに設置されたデジタルモニタも気になったポイント。太陽光発電と蓄電池の発電量や電気の使用量が一目でわかるものだそう。スマホのアプリと連動で外出先からでも住まいの状況が見られる。また、F邸はloTを活用したスマートハウスなので、お風呂を沸かしたり、エアコンのタイマーを入れたりといった操作もスマホからできる。 「発電効果がパッとみてわかるのが楽しくって、毎日パネルをチェックしちゃいますね。スマホと連動したアプリも使いやすくって、外出先からエアコンを操作したり、お風呂の給湯スイッチを入れたりできるのは、本当に助かっています。家族でお出掛けして疲れて家に帰ってきても、さっとお風呂に入れたり、家の中が快適な温度になっていると、疲れも吹き飛びますよ」 「家を建てる前に太陽光発電の効果のシミュレーションや、断熱性能のデータなども見て、とてもいいなと感じましたが、実際の快適さをイメージするのはなかなか難しい部分もありました。でも、完成した家に住んでみて、これほど快適なのか!とびっくりしています。住宅性能にコストをかける選択をして本当に良かったと思っています」 近年、エネルギー価格は上昇傾向にあること、地球規模の異常気象に対し脱炭素社会の実現が求められていることなどから、その使用を抑える必要性が高まっている。F邸のように太陽光発電と両方を備えた住まいなら、初期コストは多少かかっても、長い目で見れば、光熱費削減効果は大きく、停電などの場合の心強さもメリットとしては大きいといえるだろう。 ●取材協力 ユーロプランニング
馬場敦子
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