3位・ハマブルー VS首位・若鹿軍団!リーグ制覇を巡る保土ヶ谷決戦! 横浜FCユース×鹿島アントラーズユースマッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグEAST第21節】
ここに来て急ブレーキが掛かってしまった。プレミアリーグEASTで優勝争いを繰り広げてきた横浜FCユースのことだ。前半戦の11試合が終わった段階では首位に立ち、後半戦も着実に勝点を積み重ねてきたものの、第18節の柏レイソルU-18戦で5試合ぶりの敗戦を喫すると、そこからまさかの3連敗。順位も3位に後退している。
前節は後半戦で最も勝点を稼いでいる市立船橋高校をホームに迎えた一戦だったが、前半のうちに先制点を献上すると、何度か手繰り寄せたチャンスも相手DFに阻まれ、クロスバーに嫌われる。終わってみれば0-1の惜敗。とりわけ3試合続けて得点が獲れていないのは、小さくない懸念材料だ。
対照的にギアを一段階上げたのが、現在首位を走っている鹿島アントラーズユース。夏の中断期間を挟んで3連勝を収めながら、そこからは3連敗を味わったが、第17節の大宮アルディージャU18戦に3得点を奪って快勝すると、そこから怒涛の4連勝を飾って、リーグの優勝争いをリードしている。
アントラーズクラブハウスグラウンドで行われた前節の前橋育英高校戦は、開始2分に幸先良く中川天蒼のゴールで先制。そこからはやや劣勢の時間を強いられ、67分に追い付かれながらも、終盤の86分に途中出場の1年生エース・吉田湊海が決勝ゴール。公式戦7連勝と絶好調の相手を撃破して、戴冠へ向けて一歩前に出ることに成功した。
何とか連敗をストップしたい横浜FCユースでは、10番を背負った朝見友樹に注目する。リーグ初スタメンは第10節だったが、以降は中盤のメインキャストとして定位置を掴んでいるこの人のプレーは、時間と空間を操っているように見える。本人の「相手が来るまでに“1秒”の時間があったら次の選択肢を持てるので、そこの“1秒“を稼げるようなポジショニングを意識してやっています」という言葉も実に印象的だ。
他にも「ファーストタッチは意識していますし、常にワンタッチの選択肢を持っておくことを考えながらやっています」と口にするように、フィジカル面の不足を補うような思考から繰り出すプレーは、何とも10番らしさにあふれている。このレベルで争われる真剣勝負だからこそ、“1秒”にこだわる姿勢を貫いてきた職人肌の朝見が、プレス強度の高い鹿島ユース相手に攻撃でどう違いを見せられるかは、この試合の勝敗のカギを握ってくるだろう。
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