なぜ阪神の佐藤輝明は60打席ぶりヒットを打つことができたのか…V争い占う「関東ロード9番勝負」初戦白星に貢献
佐藤は、の日、続けて3打席立ち、セカンドフライ、四球、ライトフライに終わり、ヒットの次に待たれるホームランは出なかった。 この一打が怪物ルーキーのV字回復のきっかけとなるのだろうか。Youtubeが好調の元千葉ロッテの評論家、里崎智也氏は、「佐藤の最も簡単なスランプ脱出方法があります。1軍での1本のヒット。どんな形でもいいから1本出れば精神的に楽になり一気に出口がみつかります」と分析していた。 “再生工場“との異名がある“名将“野村克也氏も、いかにプロ野球がメンタルに左右されるスポーツであるかを語っていたことがある。 「ドラフトでプロに入ってくる選手はみんな力がある。まして、一度、結果を出した選手はなおさら。でも一流になれる選手と2流止まりの選手がいる。その差は、グラウンドで力を出せるメンタルがあるかどうか、頭を使っているかどうかなんや」 佐藤がスランプ脱出の出口に立ったことは間違いない。 ただ一方で“カタチ“はよくない。 試合前の打撃練習をチェックしたが、テイクバックの時間がまったくなく、打撃に“間”が作れていなかった。右足の上げ幅も小さく、グリップの位置を動かさず、そこからバットを振り下ろすようなフォームで、「1、2の3」のリズムの「の」の部分が割愛されてしまって、いわゆる“弓を引く”カタチがない。しかも右膝が早く割れ、体が開く。打撃練習でも逆方向への打球に飛距離が出ていなかった。 序盤戦の無双状態の佐藤には、まだ呼び込む“間”があった。ヤクルト、西武で監督を務めた広岡達朗氏がTHEPAGEの原稿で「テイクバックに間がないからインパクトにパワーが伝わらない」と指摘していたが、これではボールを呼び込んでの自慢のフルスイングも変化球への反応も難しくなる。 横浜DeNAの今日6日の先発は大貫で「(阪神打線に対して)内角球を使っていく」と前日取材で語っていた。トンネルの出口に立った佐藤が、そのまま抜け出すか、立ち止まるか、真価が問われるだろう。 佐藤が復調すればヤクルトを追うチームのラストスパートにスイッチが入る。 阪神は1、2番が機能し、4番の大山が存在感を示し、怪物ルーキーが目覚め、チームの勝ち頭の青柳に白星が付くという最高のゲームで、横浜DeNA、ヤクルト、巨人と続く「試練の関東ロード9番勝負」の“絶対に負けられない初戦“を取った。神宮では首位のヤクルトが執念を感じさせるゲームで3位の巨人を3-2で下してゲーム差を「6.5」に広げた。 もうヤクルトと阪神のマッチレースである。ゲーム差は「1」。引き分け数の差から考慮すれば、実際のゲーム差は「2.5」とされている。。 4番の大山は場内インタビューで、こう決意表明をしていた。 「残り試合も少なくなった中で、1試合、1試合、全員で勝とうとやっていますが、厳しい試合が続くと思います。もう一回、チーム一丸になって頑張りたい。この後、ヤクルト、巨人戦? まず明日勝てるように頑張ります」 虎の先発は“ふがいない内容“の先発が2試合続いている西勇輝。今季、対横浜DeNAには防御率1.13と相性がいい。