「現時点での金融引き締めは適切でない」日銀・黒田総裁会見6月17日(全文2完)
今の金融政策を見直す余地はあるのか
毎日新聞:すいません、毎日新聞の【・・・※聞き取り困難・・・】といいます。先ほどの為替の質問に関連してなんですけれども、先ほど総裁、為替が変動する要因はさまざまで、時期によってどれが重視されるか変わるとおっしゃいましたが、今、足元見れば、やはり各国の中央銀行の金融政策が違い、そして金利差が意識されて、もしかしたら合理的じゃないのかもしれませんが、市場参加者がかなりそれを材料視しているということが言えると思うんですけれども、総裁のお考えはいかがでしょうかというのと、それに関連し、そういう材料視されて、急速に円安が進んでるとして、さらにそれが今後も続いたり、深刻化するとなれば、今の金融政策を見直すという余地はあり得るのでしょうか。この2問をお願いします。 黒田:先ほど来、申し上げてるとおり、金利差というものが為替に影響するということは十分ありうるわけですし、ご指摘のように、今、そういったことを材料視して、市場が動いているっていう可能性は否定できないと思いますけれども、そもそも為替はさまざまな要因によって動きますので、その為替について、中央銀行が為替をターゲットにして金融政策を運営するっていうことはないわけでして、あくまでも物価の安定を目標にして、金融政策を運営するということに尽きるわけでありまして、為替をターゲットにして金融政策を運営するというようなことはないというふうに申し上げられると思います。 幹事社:ごめんなさい、幹事社からなんですけれども、そろそろ予定の時間が迫っておりますので、現在、手をあげてる方で終わりにしていただきたいのと、1人1問でなるだけよろしくお願いします。 黒田:どうぞ。私、今、向こうの一番前の方を指したんですけど。
市場担当者は更迭すべきではないか
記者1:どうもどうも。いやいや、指してくださって本当にありがとうございます。一番後ろに座ってるもんですから、今日は無理かなと思ってたんですけど、ありがとうございます。1人1問と幹事の方は言われたんですけど、すいません、僕、3つ用意してたんですけど2つにします。 1つは先ほど0.26か、付いたというご質問があったんですけれども、これについてはやっぱり、わずかなことというようなことではなくて、総裁がラストリゾートと言っておられた指し値オペが破られたわけですから、これは相当なことだと言ったほうがいいと思うんですね。その危機感がこの会見ではあんまり伝わってこないのが少し残念ですし、これ、総裁の責任だとはまったく思わないんですけれども、これ、破られたことについてはですね。やはり市場の担当者の責任ではあると思うんですね。そういう意味で、極端に言えば、市場担当者は更迭すべきではないかと思うんですけれども、それについては総裁はどうお考えになるか。これが1点目です。 2点目は、イールドカーブ・コントロールについては、従来から最初2016年にマイナス金利の打開策として導入をされて、最初は0%程度から始まって、0.1、0.2、それから昨年3月に0.25まで幅を広げてきているわけですね。この0.25は今回のステートメントに載っていなくて、公表をきちんとすることについては総裁が主導して、されてこられたのにもかかわらず、前回は点検に載ってるからということなのかもしれませんけれども、やはり文書に載せなくなったことについては、はなはだ不安と感じなくはないと。