就任1年目で、アメフト大学日本一 立命館大学・高橋健太郎監督の指導方針「パンサーズは社会の縮図」
アメリカンフットボールの大学日本一を決める全日本大学選手権決勝・第79回甲子園ボウルは12月15日に阪神甲子園球場であり、立命館大学パンサーズ(関西1位)が45-35で法政大学オレンジ(関東1位)を下し、9年ぶり9度目の優勝を飾った。パンサーズを率いたのがOBで2003年度のキャプテンだった高橋健太郎監督(43)だ。常勝軍団を復活させるためにチームへ戻ってきた太陽のようなリーダーは、就任1年目からパンサーズを日本一へと導いた。高橋監督が自身のフットボール人生を振り返るシリーズの後編です。 【写真】関西学院大戦直前の「Whose House? Rits House!」
自分をさらけ出すのに抵抗があるように感じた
2024年1月に監督に就任しました。常勝軍団と言われた僕らのころのレベル感に持っていこうと思ったら、正直2、3年はかかるかなと感じました。 戦力的にはそろってると思ったんですけど、それだけでは勝てません。日々の過ごし方のスタンダードを引き上げていくところから始めて、結構時間がかかるかなと思いました。 まず自己肯定感がめちゃくちゃ低かった。だからみんな、チームに対しての自分の意見を言わないんですよ。「こんなんやってみたらええんちゃいます?」みたいな話を。いまはビッグゲーム前の定番になってる「Whose House? Rits House!」も、僕らの代で「こんなんやったら盛り上がるんちゃう?」「やろうや」ってなって、古橋さんに「やってみていいですか?」って掛け合いました。あれ、僕らが初代なんです。 モチベーションビデオを作って関学戦前にみんなで集まって見るってのも、僕らがやり始めました。就任当初はそういう提案そのものがあんまりなくて、「コーチに言われたことはちゃんとやりますんで必要なことは言ってください」みたいな。どっちかって言えば受け身みたいなところがありました。 あと、コロナの期間があったからだと思うんですけど、自分をさらけ出すのに抵抗があるように感じたところもあって、そこも自己肯定感の低さにつながってると思うんですよね。お互いの信頼関係を作って「健太郎さんには心を開いてしゃべれるな」っていうような関係性を築いていくのはすごく大事だと思ってます。いきなり「心を開いていいよ」って言って開く人はいないわけですから(笑)。僕の立ち居振る舞いもそうですし、コミュニケーションの仕方もそうですし、コーチのみんなにもお願いしてましたけれども、まずそこに時間をかけてやろうと考えてました。