岸田内閣は長期政権になれるか? 第一関門は突破、参院選乗り越えるカギは
参院選を乗り切れるか?
さて、今年最大の政治イベントは7月に予定されている参院選である(7月10日投開票が見込まれている)。参院選後、衆院解散がない限り、大きな国政選挙は2025年までない。そのため参院選で勝利すれば、衆院では絶対安定多数を得ているため、岸田首相は政権基盤を固めて大きな自由度を手に入れることができる。岸田カラーも打ち出しやすくなるだろう。 昨年10月の衆院選では、自民党は公示前から議席を減らしたものの、261議席と絶対安定多数を維持した。この結果や、現在の内閣支持率を前提とすれば、参院選でも与党が勝利する可能性はかなりあるとみられる。ただ、オミクロン株などコロナ感染再拡大や経済状況悪化が生ずれば支持率に悪影響を与えるし、野党が態勢を立て直して強力な対抗勢力となれば、勝利は安泰とは言えなくなる。
野党について見ると、立憲民主党は、衆院選において野党候補者一本化の成果により小選挙区では議席を増やしたものの、比例代表では減らし、公示前の議席数から14減らした。共産党との協力を嫌う保守・中道の有権者が離れてしまったためと見られている。そのため、今年の参院選でも共産党との協力連携を続けるかが注目される。野党分立となると与党を利してしまう一方で、立憲民主の支持団体である労組の連合は共産党との協力に反対しているし、共産党と協力すると保守・中道の有権者票が離反してしまう。泉健太代表は難しい判断を迫られる。 維新の会は衆院選で11議席から41議席へと躍進した。参院選でも、改革を望む有権者の票や政権を批判する票を得るのではないか。維新は憲法改正に積極的な姿勢を示していることから、参院選の前後に、憲法改正を軸として維新と国民民主が与党に接近する動きが出てくるかもしれない。 いずれにせよ、岸田首相が参院選で勝利するためには、上記のとおり岸田カラーを明確に打ち出すとともに、新型コロナを収束しつつ、傷ついた経済を再生することが重要となろう。