立憲・泉健太新代表「反対より推進」党再生へイメチェン模索
立憲民主党の新しい代表に泉健太政調会長が選出された。11月30日に投開票された代表選で決選投票の末、逢坂誠二元首相補佐官を破った泉新代表は、「批判ばかりの政党」というイメージから脱却し、具体的な政策を「国民に届ける」ことで党再生を目指す方向性を打ち出した。 【動画】立憲民主党の泉健太新代表が会見(2021年11月30日)
国民の声を「政策に変え、政府をただしていく」
代表選投票に先立つ決意表明の中で、泉氏はこう切り出した。「喫緊の課題であるコロナ対策について触れたい」。 新型コロナの新たな変異ウイルスである「オミクロン株」をめぐり、政府が入国規制の強化を発表したが、一部の対象国は「3日間のみの待機」となっていることを挙げ、「オミクロン株がこの年末年始に流入するようなことがあれば生活経済にものすごい大きな打撃がある」と政府に規制強化を申し入れたことを強調した。 さらに経済対策の一つである生活困窮世帯への10万円給付については、雇用こそあるもののシフトが減って収入が激減したようなワーキングプア層を念頭に、「政府は住民税非課税世帯のみを想定している。ワーキングプア層にも届く給付を政府に訴えていきたい」と指摘。 所属議員らに「これこそが立憲民主党の姿ではないか。私たちは国民に常に寄り添い、困っている方の話を聞き、それを政策に変え、政府をただしていく」と支持を呼びかけた。
ともすれば「自民党の方ばかり見てしまっていた」
泉氏は代表選を通じ、「国民の皆さまからは『批判ばかりの政党ではないか』というイメージを背負ってしまっていた」「われわれの『頑張っている』という意識と国民の皆さまの持つイメージのズレを今一度、自己反省した上で党を再生していく必要がある」と訴えてきた。そのために「政策立案型の政党」というイメージをもってもらう必要があるとした。 決選投票で逢坂氏を破って新代表に選出された後の記者会見でも、この点を打ち出した。「これまでさまざまな国会活動を行う中で、常に自民党と戦っている政党、これは間違いではないが、原点には国民の皆さまに何を届けるかが大事。ともすれば自民党の方ばかり見てしまって、対抗してしまって、国民に対する説明・発信が弱くなっていたのではないか」 立憲民主党が掲げる「原発ゼロ」をめぐっても、「スローガンだけで取り組んでいるのではなく、現に再生エネルギーを増やす具体的な取り組みをもっと進めていく。そこを国民の皆さまに見ていただく。『反対』というよりも『推進』というものが前に出てくるような訴え方も必要」との考えを示した。 記者からは「民主党政権時代の負の遺産」が党再生を阻んでいるのでは、との質問が出たが、それに対しては「私はそういう認識はない」と否定した上で、「いつまでも旧民主党のせいにしていては、それこそ勝てない。旧民主党のさまざま経験したこと、私は反省ばかりじゃないと思うが、経験したことを糧として改めて政権を担い得る選択肢になる。そういう強い決意をもって地元の有権者の皆さまに語っていけば、十分理解していただける。そういう空気があると思っている」と反論した。