東京五輪代表にOA枠選出のキーマン遠藤航の“欧州市場価値”が約2億円から約13億円に跳ね上がった理由とは?
8月13日に開幕する新シーズンへ向けて、遠藤を新キャプテンに推す声がシュツットガルトのサポーターや関係者の間で高まっている。クラブのOBで、遠藤が所属した浦和レッズでも選手として活躍し、監督も務めたギド・ブッフバルト氏も「キャプテンに必要なすべてを持っている」とキーマンであり、チームの頭脳だと太鼓判を押す。 目標に掲げる決勝が行われるのは8月7日。ブンデスリーガの開幕直前となる日程にも、日本サッカー協会からオファーを受けたシュツットガルトは快諾した。 「自国で開催される東京五輪でプレーできるのはすごく光栄なこと。オーバーエイジで選んで、いただいたことに対してシンプルに応えたいと思ったし、日本サッカー協会のオファーを引き受けてくれたクラブにも感謝しながら、誇りと責任を持ってプレーしたい」 キャプテンを務めた前回リオデジャネイロ五輪は、初戦でU-23ナイジェリア代表に喫した黒星が大きく響いてグループリーグで姿を消した。悔しさを糧に成長を誓ってから5年。浦和からシントトロイデン(ベルギー)、シュツットガルトでブンデスリーガ2部、そして1部とステップアップしてきたキャリアが問われようとしている。 「この5年間で自分がどれだけ成長したのかを見せなければいけない、という思いもあるし、やっぱり初戦で勝てるかがすごく大事になってくる。オーバーエイジで選ばれた責任を果たすためにも、ピッチの外もそうですけど、まずはピッチのなかで自分のよさをしっかりと出して、若い選手たちの手本となるようなプレーを見せられればと思う」 ロシアワールドカップでも一度もピッチに立てなかった存在から、代役がまったくきかない、攻守両面を司る中盤の将軍へ昇華して臨む2度目の五輪。ヨーロッパの価格市場をも驚かせた遠藤のデュエルと縦パスが、日本躍進へのカギを握ってくる。 (文責・藤江直人/スポーツライター)