81歳現役医師が経験した「壮絶な更年期」。体調不良よりもつらかった絶望感
まず受診すべきは「内科」。その後、専門の医師へ
――では、中高年の女性が健康で気をつけるべきこととはありますか? 天野:女性は閉経の前後で体が変わっていきます。閉経前はエストロゲンの働きがありますから、メタボや血圧など、それほど気にする必要はありません。そのため、基本的には、乳がんや子宮がんといった婦人科系の病気に気をつけておくべきです。 ただし、閉経後はエストロゲンがほぼ測定できないレベルまで減っていきますから、男性と同様の成人病にかかりやすくなります。アメリカでは、閉経前までは婦人科、閉経後は内科と婦人科、それぞれの、かかりつけ医をもつべきだと言われています。私は日本でもそうあるべきだと感じています。 ――お医者さんとのつき合い方も大事ですね。 天野:基本的に体調が悪いと思ったときには、まずは「内科」にかかるべきです。症状が「更年期のようだ」という自己判断だけで婦人科へ行ったり、「リウマチじゃないか?」と疑って、いきなりリウマチ科に受診するのではなく、まず内科を受診してください。 そこで「甲状腺の病気じゃないか」「血圧の病気の可能性はないか」とか、「腎臓病ではないか?」など、内科的な病気ではないかどうかを診てもらい、そうではないとわかってから初めて、更年期を疑うべきです。 ――なるほど。ほかに健康面で気をつけるべきことがあれば教えてください。 天野:天野:日本人の死因でもっとも多いのは「がん」です。ですから、がん検診はしっかり受けておきたいもの。私は75歳のときに国立がんセンターの精密な検診を受けました。精度が高く、周りの人にもおすすめしています。それなりの実費がかかりますが、人生の折り返し地点である50歳代で一度しっかりと受けておくと安心ですよ。
ESSEonline編集部