【寒暖差でだるい・疲れる…】更年期と寒暖差疲労 の関係とは?原因と自分でできる対策
暖房の効いた屋内から外に出ると寒さに震える、暖房の効いた部屋から廊下に出ると一気に寒さが押し寄せる…。冬はもちろん、クーラーのよく効いた真夏、朝晩の冷え込みが強くなる季節の変わり目など、寒暖差は年中身近にあります。その寒暖差が原因で、だるさや不調が引き起こされることも。更年期にはその不調がより強く感じられることもあります。今回は寒暖差疲労の原因と自分でできる対策についてお伝えします。 <写真>【寒暖差でだるい・疲れる…】更年期と寒暖差疲労 の関係とは?原因と自分でできる対策 ■季節の変わり目、冷暖房と外気の気温差が不調を引き起こす 先日このようなご相談をいただきました。 「季節の変わり目や真冬は睡眠が浅くなり、だるくなります。寒暖差疲労というのを聞いたことがありますが、対策方法はあるのでしょうか。それとも更年期なので仕方がないことなのでしょうか」(48歳・女性) 寒暖差疲労とは、文字通り、寒暖差によって疲労を感じることをいいます。寒暖差は例えば、日中は暑いけれども夜は冷えるような季節の変わり目のほか、外は10度以下、0度近くととても寒いのに、室内に入ると暖房が効いていて25度以上もあるような真冬、外は35度以上で暑いのに室内はエアコンが効いて涼しいといった真夏などの状況が当てはまります。一般的には、1日の気温差が7度以上の時に寒暖差疲労を感じやすくなると言われています。 人の体は、自律神経をフル稼働させて、気温の変化に対応して体温を調節しています。しかし、大きな気温差があると自律神経の調整が間に合わなくなり、体がだるくなったり、不調が起こりやすくなります。また、更年期の女性は女性ホルモンが急激に低下し、自律神経が乱れやすい状態にあります。そのため、寒暖差があるとより不調を感じやすくなったり、これまで季節の変わり目や冷暖房によって不調を感じることがなかったのに感じるようになることがあります。そこで今回は、この寒暖差疲労に対して自分でできるケア方法を紹介します。 ■背骨を動かして自律神経を整える 寒暖差疲労の予防や対策におすすめなのが、自律神経などの神経の束が通っている背骨の柔軟性を高めるストレッチです。 ①手を前に延ばし、腕で輪っかを作るように手を組む。 ②手を遠くに引っ張るようにしながら、背中を丸めていく。 ③②のまま右に移動して輪っかの中から顔がのぞくようにする。 ④③の状態でしっかりと起き上がる。 ⑤④から止まらずに、左側に体を倒す。 ⑥体を前に戻し、②の状態に。 ⑦次に左に移動して③~⑤を反対回りで行う。 ⑧左右3回ずつ行う。 ⑨手のひらを前に向けて組みなおす。 ⑩手を頭上に上げ、ぐっと伸びて、5秒間キープする。 ⑪手をぶらぶらと振りながら、腕を横から下ろしていく。 上半身をぐるっと動かすことで、背骨を柔軟に動かすことができるとともに、脇腹の筋肉がストレッチされるのが感じられるでしょう。手を遠くに引っ張りながら、大きく動かすことがポイントです。寒暖差に負けない体作りのためには、体を動かすこと、そして血流を良くすることが大切です。紹介した運動では、神経の束が通っている背骨を柔軟に動かし、背中周りの筋肉をしっかり鍛えました。ぜひ、テレビを見ているとき、仕事や家事の合間など、日頃の生活に取り入れてみてください。 ■体を冷やさない工夫、辛さを抱え込まないことも大切 寒暖差疲労対策のために、ほかにもできる工夫があります。それは、体を冷やさないようにすることです。 例えば、食事では体を温める食材を積極的に取るようにします。例えば、ネギや生姜などの辛みのある香味野菜や、にんじんや大根などの根菜類なども、体を温める働きが期待できます。毎日の入浴も、シャワーだけではなく湯船に浸かるようにすることで、全身の血流を良くすることができます。 また、体調が良くない状態が続く場合は、内科や婦人科を受診することも大切な選択肢の一つです。今は、寒暖差疲労に対処する薬もあります。自律神経の乱れが月経や更年期の影響によるものであれば、ホルモンバランスを整える治療法もあります。一人で我慢しようと思うとより辛くなりますので、体調の悪さが続くときには専門家にも相談してみてくださいね。 ライター/永田京子 株式会社ウェルネスシアター代表、ちぇぶら更年期トータルケアインストラクター 1,000名を超える女性たちの調査や医師の協力を経て “更年期対策メソッド”を研究・開発・普及。口コミで広まり、企業や医療機関など国内や海外で講演を行い述べ6万人以上が受講。2018年カナダで開催の国際更年期学会で発表。
永田京子