トミー・ヒルフィガー氏「今こそ勢いを取り戻すとき」 NYFWデザイナーたちに聞いたファッション都市ニューヨークの底力
ニューヨークへの進出を目指す若手デザイナーたち
レポート「岐路に立つ」を共同執筆したマッキンゼー・アンド・カンパニーのパートナー、ジョエル・グランバーグ氏は、ニューヨークのファッション小売業における最近の重要な変化を指摘した。2020年にはバーニーズやオープニング・セレモニーが閉店し、かつてフィフス・アベニューにあった百貨店ロード&テイラーの店舗は現在WeWorkになっている」と同氏は述べた。現在、低価格帯のファッション小売に比べてハイエンドなファッション小売における空き店舗が少なく、価格の高さにより大手ブランドが優勢になっている傾向が示されている。 しかし、若いファッションブランドの創業者たちは、ニューヨークでの小売展開を目指して戦略を立てており、市場の未来に希望をもたらしている。 10年前に設立され、クリス・バーチ氏を投資家に持つウィメンズウェアブランド、ダニエルギジオ(Danielle Guizio)の創業者ダニエル・ギジオ氏は9月10日、NYソーホーのグリーンストリートに常設店舗をオープンした。 「ここに店舗を持つことができるなんて、想像もしていなかった。本当に夢のようだ」と同氏は語る。店舗はロエベ(Loewe)の隣に位置し、サン・ローラン(Saint Laurent)の真向かいにあることも強調した。「素晴らしい仲間に囲まれています。...素晴らしい不動産業者と仲介業者の魔法のような手腕ですべてがうまくいった」。 「ニューヨークは今でもファッション業界の才能と人々を引きつける磁石のような存在だ」とグリンバーグ氏は語る。「ファッションハブであるためには、大手ブランドを持つことが当然重要だが、同時にファッションの未来を担う、つまり、生命力や多様性、豊かさをもたらす若手デザイナーたちの存在も必要だ。ニューヨークの強みはその多様性にある。それによって、ザ・ロウ(The Row)やケイト(Khaite)、ウラ ジョンソン(Ulla Johnson)といったブランドが繁栄するようにする必要がある」。 [原文:As New York’s fashion capital status is questioned, NYFW designers rally] Jill Manoff(翻訳・編集:戸田美子)
編集部