トミー・ヒルフィガー氏「今こそ勢いを取り戻すとき」 NYFWデザイナーたちに聞いたファッション都市ニューヨークの底力
業界の停滞とニューヨーカーの粘り強さ
マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company)は9月4日、「岐路に立つ:ニューヨーク市のグローバルファッションキャピタルとしての地位(At a Crossroads: New York City’s status as a global fashion capital.)」と題したレポートを発表した。このレポートによると、ファッションに関連する活動は、2022年にニューヨーク市で500億ドル(約73兆5000億円)以上の直接売上と450億ドル(約66兆1500億円)の間接売上、13万人の雇用を生み出した。しかし、同業界は課題に直面している。eコマースの台頭、影響力の分散、業界の統合、生活費とビジネスコストの高さ、規模拡大のための支援不足などがその一因である。この結果、同業界の雇用は10年前に比べて5万人減少し、パンデミック後のほかの業界の回復に遅れを取っている。 デザイナーやブランドリーダーたちは、ニューヨークのファッション業界が少し停滞していることを認めている。しかし、ニューヨーカー特有の粘り強さを反映し、彼らは業界を立て直すために努力している。 「長年にわたり、ニューヨークはファッションキャピタルとして非常に活気づいた時期があったが、その後少し勢いが落ちた」と、自身のブランドの創業者であるトミー・ヒルフィガー氏は9月8日に行われた2025年春夏コレクションのランウェイショーのバックステージで語った。「今こそその勢いを取り戻す時だと思う。我々がニューヨークに根を下ろす理由のひとつは、その先頭に立っていきたいからだ」。 スミス氏も同様に、「業界は低迷したかもしれないが、ファッションクリエイターや企業にとって、まだチャンスは残っている」と強調した。 「ニューヨーカーたちはサバイバーだ」とスミス氏は話した。 スミス氏によると、ラファイエット148は、ニューヨークがファッションキャピタルとしての地位を保ち、常に注目され続けるために、ファッションウィークに参加している。それはビジネスにもプラスなのだという。 「我々は、同じ志を持つアメリカのデザイナーたちのコミュニティの中にいたいと思っている。我々の素晴らしいプロダクトがほかのニューヨークのデザイナーたちのプロダクトと同じ舞台で紹介されることを確実なものにしたい。彼らに大きな敬意を抱いていますから」とスミス氏は言う。「そういった意味で、互いに支え合うことが重要だ」。