トミー・ヒルフィガー氏「今こそ勢いを取り戻すとき」 NYFWデザイナーたちに聞いたファッション都市ニューヨークの底力
それでも「ファッションの中心地」である理由
デザイナーのナイーム・カーン氏は、ホルストン(Halston)で見習いとしてキャリアを始めてから45年以上ニューヨークで働いてきた経験から、「ニューヨークのファッションは創造性がすべてであり、常に立ち直る力を持っている」と語っている。 「私は業界が盛り上がっている時も、低迷している時も見てきましたが、常に新しいデザイナーが登場し、新しいアイデアが生まれている」と、同氏は9月9日のランウェイショーのバックステージで語った。「ニューヨークはアメリカのファッションの中心であり、これからもそうであり続けるだろう」。 ファッションウィークのカレンダーには載っておらず、バイヤーや投資家とのミーティングのためにニューヨークに来ていたブランドの創業者たちは、ニューヨークが彼らの成長中のビジネスにとっていかに重要かを強調した。米Glossyが取材した2人の創業者は、困難に直面しながらも、ソーホーに店舗やポップアップをオープンすることに成功している。 「ニューヨークに店舗を開くことは、クヤナにとって最重要事項だった」とレザーバッグブランド、クヤナ(Cuyana)のCEOカルラ・ガジャルドは語り、その理由を3つ挙げた。「1つめは、ニューヨークがメディアの中心地であり、業界の動向について洗練された専門的な意見を持つ編集者が多いためだ。2つめは、我々は、プライベートと仕事を両立させているキャリア志向の女性に向けてデザインしているからだ。ニューヨークにはそういった女性たちが特に多く存在し、彼女たちから学ぶことができる。最後に、地元の人々や観光客を含め、多くの人通りがあるからだ」。 2018年、現在11年目を迎えるブランドはプリンスストリートに店舗をオープンした。しかし、ガジャルド氏によれば、この決断が可能だったのは、2011年から2012年の市場低迷があったからこそだという。これにより、ブランドは少なくとも4つの店舗のロケーションを試すことができ、最終的に常設店舗を構えることができた。「当時、小売業は『死んでいた』し、空き店舗がたくさんあった」と同氏は言う。「ロケーションが重要だったので、我々はそのエリアに慣れ親しみ、多くのことを学び、適切な決定を下した」。